研究分担者 |
早川 和一 金沢大学, 薬学部, 教授 (40115267)
袋布 昌幹 富山工業高等専門学校, 環境材料工学科, 助手 (50270244)
田畑 勝弘 富山工業高等専門学校, 環境材料工学科, 助教授 (00271594)
徳永 修三 工業技術院, 物質工学工業技術研究所, 主任研究官
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配分額 *注記 |
6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
2001年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2000年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1999年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
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研究概要 |
先端産業からは,フッ素化合物や重金属化合物などの有害無機性物質をはじめとして,最近では内分泌撹乱物質などの微量で有害性を強く示す物質を含む工業製品が多量に製造され,それらが全て廃棄物となった時点で埋立処分場に埋立されている。埋立処分場では,新しい処分場の確保が困難になりつつあるばかりでなく,埋立られた廃棄物起源の有害物質を含む浸出水による環境汚染が懸念されるところである。本研究では,これらの有害物質を含む浸出水を埋立処分場から環境に出さないために,有害物質を処分場内で固定化するための機能性粘土鉱物を開発し,それを利用した埋立処分場の長寿命化を図るシステムの構築を目的とした。 埋立処分場内の有害物質の浸出による環境汚染を未然に防ぐための方法のひとつとして,まず廃棄物層を覆っている覆土に注目し,その吸着性能などについて先端産業から排出されるフッ化物を対象に検討を行った。土壌では,我が国では確保が困難であるが炭酸カルシウムを多く含む砂膜土壌も効果が高いことが示唆されたが,その風送物である黄砂粒子が近年多量に我が国にも飛来するようになったが、それらの沈着による効果についても検討した。さらに土壌(粘土鉱物)のみでは機能が十分でなかったが,これに下水汚泥を原料とした炭化物の有効利用をはかったところ,重金属などの固定化に効果が高いことが判った。下水汚泥を原料とした炭化物は,活性炭のような吸着能ばかりではなく,含有するりん酸成分によって浸出水中の重金属と不溶性の化合物をつくることによって,固定化の効率が高くなることがわかった。さらに,内分泌撹乱物質については,廃棄物由来ばかりではなく,ディーゼルエンジン由来の大気を経由したものも無視できない程度に多いことが,都市部の観測によって判った。本研究成果に基づいて,今後,実際の埋立処分場にて検証を行う必要がある。
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