研究課題/領域番号 |
11555209
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
反応・分離工学
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
石川 治男 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00081349)
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研究分担者 |
荻野 博康 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 講師 (80233443)
後藤 雅宏 九州大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10211921)
古崎 新太郎 崇城大学, 工学部, 教授 (40011209)
柴谷 武爾 田辺製薬株式会社, 創薬研究所, 部長研究員
安田 昌弘 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40264808)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
13,700千円 (直接経費: 13,700千円)
2001年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2000年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
1999年度: 6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
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キーワード | 非水系バイオプロセス / 有機溶媒耐性酵素 / 有機溶媒耐性固定化酵素 / 酵素複合材料 / 有機溶媒耐性微生物 / ペプチド合成 / 両親媒性粒子 / 界面活性剤 / 非水系バイオ / β構造 / プロテアーゼ / リパーゼ / 構造変化 / 失活 / 固定化酵素 / 酵素精製 / クローニング / 酸素精製 |
研究概要 |
機能性製品やファインケミカル製品の製造プロセスでは、取り扱う物質が水に不溶であることが多い、反応工程数が多い、各反応行程の収率が必ずしも高くない、等により製品単位生産量当たりの副生成物や廃溶媒の量が極めて多い。そのため、生成した副生成物や廃溶媒を処理するために必要なエネルギーは膨大なものとなる。これらファインケミカル製品等の製造に酵素を触媒として用いることができれば、反応が特異的に進むため反応工程数の削減と副生成物の生成量の低減が可能となる。しかしながら、酵素は有機溶媒中などの特殊環境下では容易に変性を起こし機能を消失する。本研究では、有機溶媒が存在する水溶液中や有機溶媒中といった非水系反応場で機能する反応素子(酵素)の開発を目的とした。 (1)有機溶媒耐性酵素の開発:有機溶媒耐性微生物Pseudomonas aeruginosa PST-01株が細胞外に分泌するプロテアーゼ(PST-01プロテアーゼ)の精製およびキャラクタリゼーション、PST-01プロテアーゼの遺伝子のクローニングおよびシーケンスを行った。さらに、PST-01プロテアーゼを用いて、有機溶媒存在下でのペプチド合成について詳細に検討し、反応溶液に有機溶媒を添加することにより、ペプチドの合成収率および反応速度のいずれもが増大することが明らかとなった。 (2)有機溶媒耐性固定化酵素の開発:親水性部分としてアミノ基、疎水性部分として脂肪酸アシル基からなる両親媒性官能基を導入した両親媒性粒子を合成し、両親媒性粒子への糸状菌のリパーゼの固定化を検討した。両親媒性粒子に固定化したリパーゼの加水分解活性は、これまでに報告されているDowex MWA-1、多孔質ガラスビーズおよびSepharose 6Bを用いて作製した固定化リパーゼの加水分解活性の150-8700倍も高いことが分かった。また、両親媒性粒子に固定化したリパーゼのヘキサンに対する安定性は、両親媒性官能基を導入していない粒子に固定化したリパーゼに比べて高くなった。さらに、両親媒性粒子に固定化したリパーゼの有機溶媒中におけるエステル交換反応の比活性は、凍結乾燥リパーゼの93.4倍と非常に高く、本研究で作製した両親媒性粒子の酵素固定化用担体としての有用性が実証された。 (3)酵素複合体の開発:分子設計された界面活性剤分子で酵素の表面を被覆するという新たな手法によって、非水媒体中でも機能するような酵素複合体を調製した。酵素水溶液と界面活性剤を溶解した有機溶媒をホモジナイザーで高速撹拌してエマルションを作製し、凍結乾燥により酵素複合体を得るという非常に簡便な手法により、界面活性剤修飾プロテアーゼを調整した。界面活性剤修飾プロテアーゼは、種々の有機溶媒中でのペプチド合成並びにエステル交換反応において、粉末酵素に比べ最大260倍の高活性を示した。
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