配分額 *注記 |
13,600千円 (直接経費: 13,600千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
1999年度: 6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
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研究概要 |
本研究は,シリカをベースとするメソポーラス体の室温合成法や酸化物によるポスト修飾法の開発・確立と機構の解明,ならびに特異なメソ細孔構造と高表面積,高細孔容積を利用した触媒・吸着材料への応用について検討した.本研究の成果の概要は以下の通りである. 1.本研究のベースとなるメソポーラスシリカ(MPS)の室温迅速(RRT)合成法のpH許容性が極めて広い(0<pH<11)ため,第2成分を添加したメソポーラスメタロシリケートの合成に際し,添加金属イオンの性質に応じたpHでのRRT合成が可能であった(メソポーラスアルミノシリケート(MPAS):6<pH<11,メソポーラスフェロシリケート(MPFS):8<pH<12,メソポーラスチタノシリケート(MPTS):pH<1). 2.MPSの外表面およびメソ孔内表面の水酸基と金属塩化物,アルコキサイドなどとの反応・固定化とそれに引き続く熱処理によりSnO_2,ZrO_2,TiO_2でコートしたMPSの合成法を確立した.SnO_2,ZrO_2で修飾したメソポーラス体は母体のMPSに比べて耐熱性,耐アルカリ性が大きく向上した. 3.MPASにイオン交換により導入したCuイオンは,Cu^<2+>→Cu^+→Cu^0と段階的に還元され,Cu^+状態が極めて安定であり,この特徴を生かした選択的なCO吸着剤としての可能性を明らかにした. 4.水溶液からの有機色素の吸着・光分解除去について検討した.カチオン性色素であるメチレンブルーに対しては,カチオン交換性をもつMPAS, MPFSが高い吸着能を示し,一方紫外光照射下での光分解反応にはMPTS, MPFSが優れた活性を示し,MPFSが吸着能と光分解能を併せ持ち,水系からのカリオン性色素の除去用吸着・触媒材料として最も有望であることを明らかにした. 5.その他,メソポラスシリケートのSO_2吸着特性やアルギン酸ビーズ法によるメソポーラス体の成形法などを検討し,成果をあげた.
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