配分額 *注記 |
13,100千円 (直接経費: 13,100千円)
2001年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2000年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1999年度: 7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
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研究概要 |
アガロースゲルに包括した組み換えPseudomonas putida KF715-P6株によるTCE分解に適した高効率バイオリアクターシステムを開発する目的で,菌体の活性と安定性を高く維持し得る分解条件並びに賦活条件の最適化を行った.得られた結果を以下に列挙する. 分解温度としては,分解活性の至適温度は30℃であったが,その場合より高い安定性を与える15℃に設定した.最適な賦活条件は,pH6.5,温度4℃において,0.2mMグルコース及び5mMギ酸を含む無機塩培地(BSM)中において6時間振盪することであった.この条件下における菌体の賦活によって,残存活性は、30℃における賦活なしの場合と比較すると、約30%から60%へとほぼ倍増した. 分解培地として水の代わりに上記の最適化されたBSMGを使用することによって,分解活性及び残存活性は,それぞれ,50%及び10%増加した.また,振盪速度や集菌までの培養時間などの培養条件が,その後のTCE分解に対する菌体の性能に大きな影響を及ぼすことが明かとなった.つまり,生菌密度,TCE分解初期活性,残存活性並びに分解容量は,振盪速度80rpmで培養し,菌体同収の増殖のフェーズが対数増殖期である菌体が最も高い値を示した.しかし、対数増殖期の菌体量は静止期の約80%のため,最適な菌体回収の増殖のフェーズは静止期とした.この条件下で分解培地を精製水からBSMGにし,さらに賦活を18時間行うと約90%の残存活性を示した. これらの実験結果に基づいて,疎水性のホローファイバー膜モジュールによるTCEの分離と上記の最適培地中でアガロースミクロゲルビーズ包括菌体によるTCE分解を組み合わせたバイオリアクターシステムを提案した.
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