研究課題/領域番号 |
11555231
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
工業物理化学
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
井上 晴夫 東京都立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90087304)
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研究分担者 |
嶋田 哲也 東京都立大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50252317)
立花 宏 東京都立大学, 大学院・工学研究科, 講師 (00163478)
白上 努 宮崎大学, 工学部, 助教授 (60235744)
江原 俊治 大日本インキ化学工業(株), エポキシ技術クリレープ部長, 部長
高木 慎介 東京都立大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40281240)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
13,700千円 (直接経費: 13,700千円)
2001年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2000年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1999年度: 9,700千円 (直接経費: 9,700千円)
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キーワード | エポキシ化合物 / 金属ポルフィリン / アルケン / 酸化反応 / 酸素化反応 / 人工光合成 / 水の光分解 / 酸学化反応 |
研究概要 |
現在のエポキシ化合物製造技術では金属触媒、酸素化剤を中心として高選択性、高反応性、高安全性をめざして改善努力がなされているが、強力酸化剤、酸素化剤を使用せざるを得ない場合が多く、より安全な手法開発が現在の重要な課題の一つになっている。研究代表者等が見出した水を電子源、酸素源とする可視光エポキシ化反応は安全な反応方法として注目されるものである。本研究では実用化を視野にいれ以下の点に焦点を絞り集中的な検討を行った。 1)新規複合反応系の開発:より高効率の増感反応系の開発のため、a)光吸収とそれに続く電子受容体への電子移動によるポルフィリンカチオンラジカルの生成、に最適な反応系とb)ポルフィリンカチオンラジカルを経由した金属オキソ錯体活性種の生成とアルケンとの反応によるエポキシ化反応に最適な反応系を独立に設計し両者をホール移動反応により結合させる新規複合反応系の開発に成功した。 2)エポキシ化基質例の拡張と探索:反応基質例の拡張としてシクロヘキセンに加えてノルボルネン、シクロオクテンなどの環状アルケン類、スチレン、スチルベンなどの芳香族アルケン類、1-ヘキセンなどの直鎖アルケン類などのエポキシ化反応について検討した。特にノルボルネンではほぼ100%の選択性と量子収率0.1前後の高反応性を示すことを見出した。 3)異方性反応場への展開 分子レベルだけではなく巨視的にも異方的な化学反応場として新たに、マイクロチャンネルプレートを化学反応場とする電子伝達反応系構築について検討した。表面化学析出法により二酸化チタン薄膜をチャンネル内壁に析出させ、白金クラスターを担持させ紫外光および色素増感による可視光水素発生を行った。白金クラスターの担持場所と光照射方法を変化させることにより伝導体電子の実質移動距離をはじめて求めることができた。この実測を基礎に、一層の高効率電子伝達反応場構築のため白金薄膜層の上に二酸化チタン薄膜層を積層する二重薄膜構造を有するマイクロチャンネルプレートを試作しその水素発生能の評価を行った。単層薄膜に比べ飛躍的に高効率の水素発生が可能であることを見出した。本研究により水を電子源、酸素源とする人工光合成型物質変換反応について反応の高効率化、反応制御への足がかりを得ることができた。
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