研究課題/領域番号 |
11555234
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
無機工業化学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
細野 秀雄 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 教授 (30157028)
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研究分担者 |
山嵜 正明 (株)住田光学ガラス, 研究開発部, 研究員
矢野 哲司 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (90221647)
植田 和茂 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助手 (70302982)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
13,800千円 (直接経費: 13,800千円)
2000年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
1999年度: 10,400千円 (直接経費: 10,400千円)
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キーワード | 光学材料 / 長残光蛍光 / 輝尽蛍光 / 欠陥 / ガラス / 蓄光材料 / カルシウムアルミネートガラス |
研究概要 |
光のエネルギーを貯めて蛍光として発する蓄光機能には、光照射後も長時間にわたって蛍光を発する長残光蛍光と、光照射後に他の波長の光で刺激した時に蛍光を発する輝尽発光の2種類がある。これまで蓄光材料は活性剤をドープした粉末であったが、本研究では透明な材料、特にガラスを母体にして新しい高性能な蓄光材料を開発することを意図とした。以下に得られた成果を列挙する。 (1) カルシウムアルミネートガラスをカーボンるつぼを使って溶触するとカルシウムイオンの配位された酸素イオンが欠損した構造が生成する。この構造は電荷が正なので、電子をトラップして結晶中のF中心と類似の色中心を形成する(Hosonoら、J.Appl.Phys,1990)。この中心は77Kでは安定だが、室温付近では熱揺らんでゆっくりと電子を放出する。この特性を利用し、光照射で容易に原子価が変化する蛍光イオンを組み合わすことで蓄光ガラスを設計した。 (2) 発光イオンとしてTb^<3+>,Mn^<2+>,Pr^<3+>を選択することで超残光蛍光ガラスが得られた。これらのイオンに共通なことはいずれも低原子価状態で発光するが顕著なことである。すなわち、マトリックスのガラス中では本来より高原子価状態が安定だが、強還元雰囲気下で作製されるため低原子価状態でガラス中に凍結される。ここでこれらのイオンの電荷移動吸収帯を光照射すると光イオン化が生じ、F中心と光酸化蛍光イオン対が生成する。光照射をストップすると、F中心から電子が徐々に開放され、それが光酸化された蛍光イオンと再結合し、この時に蛍光を発する。これは超残光蛍光のオリジンである。 (3) 上記のガラスは長残光蛍光が完全に消失した後に、波長633nmのHe-Neレーザー光を照射すると、再び蛍光を発することを見出した。すなわち、長残光蛍光だけではなく輝尽蛍光能も有することがわかった。グローカーブの測定と電子スピン共鳴スペクトルの解析から、このガラスにはかなりバリアハイトも異なる2種類の電子トラップが存在し、CaO結晶中のF^+(電子を一つトラップ)とF中心(2つトラップ)に類似の欠陥であると結論された。 (4) ZnOを多量に含有するZnO-B_2O_3-SiO_2ガラスでは通常の雰囲気でガラスを溶融しても還元CaO-Al_2O_3ガラスと同様な長残光蛍光が発現した。これはZnOが高温下では容易に酸素イオンの欠損を生じることに起因すると考えられる。CdO、Ga_2O_3系でも同様な結果が期待された。 (5) 高周波スパッターリング法で上述のガラスの薄膜を作製して蓄光機能を検討したが、バルクよりの1桁以上感度が低下した。相互作用長が著しく短くなった結果であろうと考えられる。薄膜形状での展開には本研究とは異なったアプローチが必要であろう。
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