研究課題/領域番号 |
11555236
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
無機工業化学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
河本 邦仁 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30133094)
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研究分担者 |
徐 元善 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30242829)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
7,900千円 (直接経費: 7,900千円)
2000年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1999年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
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キーワード | (ZnO)mIn_2O_3 / リートベルト解析 / 熱電変換 / ゼーベック係数 / 結晶構造 / ドーピング / 層状構造 / (ZnO)_mIn_2O_3 / Zinc oxide / Indium oxide / Homologous / Thermoelectric / Electron mobility / Substitution / Riedveld analysis / Figure of merit |
研究概要 |
我々は、熱電特性の向上を目的として層状構造を有するホモロガス化合物(ZnO)_5In_2O_3に金属元素の置換を試み、結晶構造および熱電特性を評価した。その結果、2価ではZnイオンに対してMgおよびCoイオン、3価ではInイオンに対してYイオンの置換において置換量の少ない領域でSeebeck係数の極大に伴う熱電特性の向上がみられ、YをInに対して3%置換した化合物において、この系における熱電変換性能指数の最高値Z=1.3×10^<-4>K^<-1>(1200K)という酸化物としては非常に良好な値を得た。また室温においてホール効果測定(van der Pauw法)により得たキャリア濃度およびホール移動度の置換量依存性を見ると、各置換体においてSeebeck係数の極大値を示す組成においてホール移動度の極大値を示すことがわかった。このことから、Seebeck係数の極大はこのホール移動度の増加によりもたらされるものと考えられる。また、熱電特性のさらなる向上を目指して、Mg^<2+>とY^<3+>、Co^<2+>とY^<3+>をそれぞれ同時置換したところ、置換量の少ない組成において、ホール移動度の増加に伴うと思われるSeebeck係数の極大値が得られた。元素置換によってその熱電特性が向上した場合に共通して、格子定数は置換量の増加に伴って六方晶系のa軸が伸び、c軸が縮むという特異な変化を示した。Rietveld解析の結果によると、この特異な変化はIn-O層中の金属元素(M(1))と酸素イオンとの結合距離が長くなり、(ZnIn)-O層中では正四面体が歪むことにより、全体としてc軸方向に縮むことに起因していることが明らかになった。
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