研究課題/領域番号 |
11555238
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
無機工業化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小久見 善八 京都大学, 工学研究科, 教授 (60110764)
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研究分担者 |
安部 武志 (阿部 武志) 京都大学, 工学研究科, 助手 (80291988)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
13,500千円 (直接経費: 13,500千円)
2001年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2000年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1999年度: 10,400千円 (直接経費: 10,400千円)
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キーワード | 炭素薄膜 / プラズマ / リチウム二次電池 / 拡散 |
研究概要 |
リチウム二次電池は小型携帯用機器電源としてだけではなく、最近では、ハイブリッド車用電源としても期待されている。リチウム二次電池の負極には黒鉛負極が通常用いられているが、電池性能の向上を図るため、黒鉛以外の炭素負極の研究が盛んである。本研究では、炭素負極の電気化学特性をより詳細に調べるため、プラズマ化学気相析出法(CVD)法を用い、sp^2系炭素薄膜についての構造およびそのリチウム二次電池特性を検討し、以下の結果を得た。 1)アセチレン/アルゴンプラズマより結晶性の高い炭素薄膜を得ることができ、その結晶性は印加電力に依存すことを見出した。 2)炭素薄膜をリチウム二次電池用負極材料として用い、2ndサイクルでも1000mAh/gの高容量を示すことが分かった。電池容量も印加電力に極めて依存することが分かった。 3)エチレン/NF_3プラズマより高結晶性の炭素薄膜を500℃という低温で得ることができた。この薄膜の電子伝導性は10^2S/cmであり、極めて高い伝導性を示した。 4)リチウムイオンの挿入サイトは二つ存在し、挿入時にはまず結晶性のよい良い炭素層間に侵入し、その後、アモルファス層へ移動することを明確にした。また、脱離時には結晶性の良い炭素層間からリチウムイオンは優先的に脱離することが明確となった。 5)本炭素薄膜にリチウムイオンが挿入可能な容量は印可電力が低いほど増大することが明確となった。これは、印可電力の増大に伴い、炭素薄膜中の結晶層が増加するためであることも分かった。 6)リチウムイオンの拡散定数はリチウムイオンの挿入量に比例して増加し、最大値をとった後、減少することが分かった。拡散定数の現象は炭素電極中に存在するリチウムイオン間の静電反発によるものと考えられるが、拡散定数の増大の原因についての詳細は検討中である。 7)薄膜電極/電解液界面の抵抗は炭素薄膜の結晶性により影響を受けることが分かった。これはリチウムイオンが挿入脱離できる反応サイト数の相違によるものと思われる。 8)薄膜電極/電解液界面の抵抗による活性化エネルギーは用いる電解液によって影響を受けることが明らかとなった。
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