配分額 *注記 |
11,300千円 (直接経費: 11,300千円)
2001年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2000年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
1999年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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研究概要 |
水系メディアを媒体とする触媒的有機合成はすでに多くの先例がある.4級オニウム塩を利用する相間移動触媒,ミセル,界面活性剤,などの利用や既存試薬や触媒の水への可溶化,等々.その中で我々は次世代に於ける環境調和プロセスへの社会的要請を考慮し,また研究展開の上で多くの触媒候補群の迅速な調製が必要となることを念頭に,反応後の触媒回収・再利用やコンビナトリアル触媒調製にも有利であることが予想される固相担体の利用を研究の柱に据えた.すなわち,近年の固相有機合成の著しい発展とともに多様な特性を備えた高分子固相担体が開発され入手容易となっている.我々はポリスチレン-ポリエチレングリコール共重合高分子レジンの両親媒性に着目し,同レジン上での遷移金属錯体の調製,固定化を行い,その水中での触媒活性探索から研究をスタートした.その結果,両親媒性高分子ゲル上に担持したパラジウム錯体触媒により,完全水系メディア中での触媒的有機変換工程が進行することを見いだし,その一般性を確立した.アリル位置換反応,一酸化炭素あるいはアルケン類の挿入反応,交差カップリング反応はいずれも有機溶媒中での均一系触媒反応以上の効率を持って対応する生成物を与えた.特にアリル位置換反応では,同ゲル担持不斉錯体触媒を新たに設計,開発することで,有機溶媒中での均一触媒系でさえ困難であった環状アリルエステル類の高度な立体選択的アルキル化を達成している.
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