研究分担者 |
加我 晴生 独立行政法人産業技術総合研究所, 生物遺伝資源研究部門, 主任研究員
横尾 泰日児 宇部興産株式会社, 高分子研究所, 主席研究員
八島 栄次 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50191101)
KAGA National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST), Senior Researcher
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配分額 *注記 |
13,400千円 (直接経費: 13,400千円)
2001年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2000年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
1999年度: 7,900千円 (直接経費: 7,900千円)
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研究概要 |
本研究は新規多糖の精密合成と得られた多糖とシリカゲルの化学結合による固定化を行いキラル固定相の改良、さらに、種々の溶媒系、キラル固定相を含めたHPLC分離系を構築し、優れた分析、分取手段としての光学分割システムを確立することを目的とした。 1)1,2:5,6-ジアンヒドロヘキトールの位置および立体選択的な環化重合によって合成される(1→6)-2,5-アンヒドロヘキトールの末端にシリルエーテルを導入しシリカゲルとの化学結合型固定相を合成した。 2)1,6-アンヒドロ-2,3,4-トリ-O-アリル-β-D-グルコピラノースの開環重合を一般的なカチオン開始剤である三フッ化ホウ素エーテル錯体を用いて行うと、主鎖が(1→6)-α-結合により糖ユニットが連結された立体規則性多糖、(1→6)-2,3,4-トリ-O-アリル-α-D-グルコピラナンが得られた。また、脱アリル化反応はPd/Cにより完全に進行し、立体規則性の(1→6)-α-1-D-グルコピラナンが得られた。 3)(1→6)-2,5-アンヒドロヘキトールをシリカゲルに化学結合型固定相したキラル固定相(CSP)は嵩高い置換基を有するアミノ酸に対して高い光学分割能をしめした。本カラムの方が既存の光学分割カラムよりも用いる溶媒に制限が無く優れていた。また、(1→6)-α-D-グルコピラナンおよび(1→6)-α-D-マンノピラナンと3,5-ジメチルおよび3,5-ジクロロフェニルイソシアネートの反応によりカルバメート誘導体を合成した。合成した4種類の多糖誘導体を多孔性シリカゲルに吸着させたCSPを調製し、HPLCによるラセミ化合物の光学分割実験を行った。4種のCSPはベンゾイン、トレガー塩基に対し大きな分割能を示した。また、(1→6)-α-D-マンノピラナンのジクロロフェニルカルバメート誘導体は本研究において最も高い分子認職能を示した。
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