研究分担者 |
内田 利弘 産業技術総合研究所, 知圏資源環境部門, 研究グループ長
下泉 政志 九州職業能力開発短期大学校, 助教授
田中 良和 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00025420)
利岡 徹馬 応用地質(株), つくば技術開発センター, 研究グループ長
江原 幸雄 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (10002346)
福岡 晃一郎 応用地質株式会社, 研究員
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配分額 *注記 |
8,100千円 (直接経費: 8,100千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1999年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
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研究概要 |
本研究の目的は,MT法による3次元地下構造探査を実用化するために,3次元構造探査に適した測定方法,測定器材,データ解析および3次元構造インバージョンの方法を総合的に検討し,最適な探査システムを構築することにある. 本研究による成果として,まず,低周波電磁波を感度よく測定するためにMT探査用フラックスゲート磁力計の改良を行った.また,地下構造が3次元構造であることを前提にしたインピーダンスの定義,解析法の基礎研究を行った.そのため,電場,磁場成分のフーリエ係数行列の特異値分解によるインピーダンス計算法について研究した.この方法によれば従来のテンソルインピーダンスはrank2の場合に相当することが示され,その他の成分は,それから外れたもの,たとえば3次元性による垂直成分の寄与とかローカルな構造による電磁場のディストーションなどの影響であると考えられる. 3次元構造探査の結果は3次元比抵抗構造として表現され,それに対する地表での電磁場の計算値と観測値とを比較することにより,その妥当性が検証される.従って,このモデル計算法の確立は最も重要な問題である.今回の研究で,スタッガードグリッド有限差分法を用いた高精度計算法を開発した.これにより,大きな比抵抗コントラストのある構造や地形を含む場合でもモデル計算が可能となった.また,3次元インバージョンも試みたが、その評価は今後の課題であろう. さらに本研究では,北海道北部地域において3次元MT探査を行い,3次元探査実施上の問題点についても具体的に検討した.現在通常行われている2次元インバージョン結果と3次元インバージョン結果とを比較し,その特徴についても議論した.このような研究を通して,今後3次元探査を進めていくための研究の方向性について明らかにできたと考えられる.
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