研究分担者 |
向阪 信一 松下電工, 照明分室・照明戦略企画室, 室長
村上 賢治 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (40200266)
吉田 裕一 岡山大学, 農学部, 助教授 (00141474)
KOSAKA Shinich Matusita Electric Works, Strategy of Lighting Engineer
|
配分額 *注記 |
9,500千円 (直接経費: 9,500千円)
2001年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2000年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1999年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
|
研究概要 |
本研究は,閉鎖環境連続光下におけるピーマン'京みどり'の植物生産工場に関するもので、次のような条件で栽培を行えば数年間連続的に果実生産が行えることを明らかにしたものである。基本的な栽培条件は蛍光灯の連続光、光強度150〜300μmolm-2s-1,気温28℃,湿度50〜80%,炭酸ガス濃度800ppm。 播種後約45日で第1番花が開花し,その時点から炭酸ガス施肥を開始する。炭酸ガス濃度をあげると軽微な葉脈間クロロシスが生じる。長期栽培でのCO2施与は,収量の向上が期待できる濃度800ppm程度が適当である。連続光を4時間暗期挿入(12時間明暗サイクルでは着果しない)と比較したところ、果実収量に差が認められなかったことから、20時間明期-4時間暗期のサイクルが実用的であると判断された。また湿度は少なくても50%が確保できれば問題ないことが明かとなった。 なお,果実品質について自然光ガラス温室での同栽培法の6月収穫果実と比較したところ,連続光下の果実は乾物当たりの糖含有率には差がなく,果皮が硬く,緑色濃くクロロフィル、カロチノイドの含量は2倍となり,つやの強い点が特徴的であった。 青色、白色、赤色蛍光灯については、赤色は、茎の伸長を促進し、青色は逆に伸長を抑制した。また、青色は低位節において著しい側枝の伸長効果を示し、全体的にコンパクトな草姿を呈した。苗の乾物重は、白色=赤色>青色の傾向にあり赤色と白色には果実生産においても有意差はなく、特に赤色蛍光灯を使用することの利点はないと考えられた。 培養液は、大塚A処方1/2濃度(EC1.4dSm-1)で、当初の培養液pHをリン酸で5.6に調整し、減水分は同培養液を補充すれぱ良い。栽培1ヶ月を経過するころから培養液のpHを少し下げると同時に、硝酸カリウムの濃度を2me/l程度高めれば、長期の養液管理に耐えられる事が判明した。 本栽培法は、光源に蛍光灯の連続光を使用しているところに特徴があり、屋内型栽培システムとして『生産の場の拡大』に寄与するものと考えられる。
|