研究分担者 |
八村 敏志 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (40238019)
久恒 辰博 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (10238298)
戸塚 護 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 客員助教授 (70227601)
渡邊 裕子 神奈川県衛生研究所, 研究員
永渕 真也 明治乳業株式会社, 栄養科学研究所, 研究員
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配分額 *注記 |
13,200千円 (直接経費: 13,200千円)
2001年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2000年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1999年度: 7,700千円 (直接経費: 7,700千円)
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研究概要 |
1.腸管免疫応答の解析 (1)卵白アルブミン(OVA)特異的T細胞抗原レセプタートランスジェニックマウス(TCR-Tg)にOVAを経口摂取させることにより,粘膜固有層リンパ球のIL-5,IL-6分泌能が亢進した.一方,OVAの経口摂取によりTCR-Tgマウスはその小腸組織において消化管アレルギー様変化が認められ,軟便傾向や体重減少を示し,消化管アレルギーモデルとしての可能性が示された.(2)パイエル板由来樹状細胞をOVA+TCR-Tg由来T細胞+B細胞の培養系に添加することにより、IgA抗体の産生が誘導されることを見出した。 2.腸管免疫細胞を用いた評価系による食品成分の免疫機能の解析 (1)人乳に多く含まれ,新生児にとって重要な栄養素であるヌクレオチド(NT)の腸管免疫応答に対する効果を調べた.NTをマウスに経口投与すると小腸上皮内リンパ球のサブセットの内のγδTCR発現T細胞の割合が増加した.この機構を検討したところ,γδTCR発現T細胞の発生分化に重要な役割を果たすインターロイキン(IL-)7と,IgA産生に重要なTGF-βの小腸上皮細胞(IEC)による産生が,NTの経口投与により増強されることを見いだした.マウスIECの初代培養系にNTを添加したところ,IL-7の産生増強が認められたことから,NTは直接IECに作用してIL-7産生を増強させる機能をもつことが明らかとなった.一方初代培養系にNTを添加してもTGF-β産生は増強されなかったことより,IL-7とTGF-βでは,NTの経口摂取により産生増強に至るメカニズムが異なることが示唆された.(2)ラップフィルムの可塑剤アセチルクエン酸トリブチル(ATBC)の投与によりOVAを経口摂取したTCR-Tgにおける小腸組織のヒスタミン含量が変化し,ATBCが腸管のアレルギー反応に影響することが示唆された.
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