研究課題/領域番号 |
11556031
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
林産学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中坪 文明 京都大学, 農学研究科, 教授 (10027170)
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研究分担者 |
斉藤 政利 旭化成株式会社, 高分子研究所, 室長
上高原 浩 京都大学, 農学研究科, 助手 (10293911)
高野 俊幸 京都大学, 農学研究科, 助教授 (50335303)
山根 千弘 旭化成株式会社, 高分子研究所, 研究員
湊 和也 京都大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (10026601)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
13,600千円 (直接経費: 13,600千円)
2001年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2000年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
1999年度: 6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
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キーワード | ハイブリット機能セルロース誘導体 / 4-alkyloxytrityl chloride / 溶媒溶解性 / 液晶性 / 開環重合法 / 3位のアリル基 / 位置特異的置換メチル誘導体 / 磁性体と電気伝導体 / ハイブリッド機能セルロース誘導体 / 多機能性 / 熱溶融性 / 重合モノマーの合成収率の向上 / 長鎖アルキル置換セルロース誘導体 / セルロース / ハイブリドセルロース誘導体 / p-n-aklyloxytrityl chloride / p-n-aklyloxytrityl cellulose誘導体 / 6-deoxycellulose / 長鎖アルキル基 / 嵩高いジフェニルアルキルメチル基 / DMAc / LiCl溶液 / p-アセトキシトリチル基 / p-メトキシトリチル基 |
研究概要 |
セルロース分子の化学構造上の特徴は無水グルコース繰り返し単位には3つの水酸基があることであり、これらの水酸基の化学反応性を十分に考慮し分子設計すると、簡単な合成高分子では予想もし得ない多機能成功分子に変換し得る可能性がある。そこで、本研究では、6位の一級水酸基には溶媒溶解性および熱溶融性などの物理的性質の向上を期待して長鎖アルキル基を、また、2,3位の2級酸基には機能性の賦与を期待し機能性官能基を導入した、ハイブリッド機能セルロース誘導体の分子設計を計画した。得られた結果と下記に記す。1)先ず、6位に位置選択的に導入可能な保護基、trityl基を長鎖アルキル基を運ぶ単体と見なした、新規なtrityl誘導体である、4-aklyloxy(n=4,8,12,14,18)trityl chlorideを、市販のmethyl p-hydroxybezoatまたはp-hydroxybenzophenoneからキイー化合物4-hydroxytrityl alcoholを経て、アルキル鎖の長さ(n)の異なる4-aklyloxytrityl chlorideを高収率で調整し得る合成法を確率した。2)新規に調製した試薬4-aklyloxytrityl chlorideとmethyl α-D-glucopyranosideセルロースとの反応を試みた結果、高位置選択的に長鎖アルキル基が6位のみに導入された誘導体が得られ、新規に合成した試薬は極めて有用であることが判明した。また、得られたセルロース誘導体は種々の溶媒に対して溶媒溶解性を示し、そのacetateは熱溶融性で液晶性を示した。すなわち、少なくとも、一段階の反応でセルロースの物性を制御することに成功した。3)位置選択性を完全に制御するのは、我々の開発した開環重合法によるセルロースの化学合成法が基とも確実である。そこで、既報に変わる反応段数の少ない重合モノマーの高収率合成法と重合モノマーの保護基3位のallyl基の有用性を証明した。4)改良法によって調整したセルロース誘導体から可能な7つの位置特異的置換メチル誘導体の合成に成功した。この合成法により得られる誘導体の全てがハイブリッド機能セルロース誘導体へ変換可能であり、磁性体と電気伝導体などへの利用の可能性が示唆された。5)結果をまとめ報告書を作成するとともにCarbohydrate Research、Biomacromolecules 等の専門誌に投稿し、受理された。
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