研究課題/領域番号 |
11556056
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
基礎獣医学・基礎畜産学
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
藤崎 幸藏 (藤さき 幸蔵 / 藤崎 幸蔵) 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 教授 (00292095)
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研究分担者 |
神尾 次彦 独立行政法人動物衛生研究所, 研究室長
玄 学南 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 助教授 (10292096)
五十嵐 郁男 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 教授 (80159582)
長澤 秀行 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 教授 (60172524)
辻 尚利 独立行政法人動物衛生研究所, 主任研究官
宮原 徳治 , 財団法人・化学及血清療法研究所, 研究員
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
13,500千円 (直接経費: 13,500千円)
2001年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2000年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1999年度: 8,600千円 (直接経費: 8,600千円)
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キーワード | Babesia equ / B.caballi / ELISA / Dermacentor nuttali / PCR / 重感染 / フタトゲチマダニ / ヘモサイト / ピロプラズマ原虫 / バベシア・エクイ / バベシア・カバリ / 介卵伝播 / 生物活性物質 / taransmission blocking vaccine / バベシア原虫 / ウエスタンブロット / ウマバベシア原虫 / リコンビナント抗原 / モノクロナール抗体 / エライザ |
研究概要 |
1.バキュロウイルス発現Babesia equiメロゾイト表面蛋白(EMA-1)と大腸菌発現B.caballiのメロゾイトロプトリー蛋白(GST-BC48)の両組換え体抗原を用いるELISAとラテックス凝集反応を確立し、これを用いて、ウマバベシアの常在地であるブラジル国サンパウロ州で2000年12月に採集したウマ血液47例について抗体価を調べ、両方法が野外血清抗体検出法として特異性と感度の面で優れていることを実証した。 2.次いで、このELISAシステムを用いて日本国内のウマ血清中の抗体調査をおこなった。被検血清としては、1971年から1973年の期間に日本全国から各種調査のために農水省指導で集められ、農水省家畜衛生試験場(現独立行政法人農業技術研究機構・動物衛生研究所)に凍結保存されていたウマ血清2,019例を用いた。その結果、B.equiは2.2%(44/2,019)、B.caballiは5.4%(109/2,019)の抗体陽性例がそれぞれ検出された。さらに、これらELISA抗体陽性血清はWestern blot法でもB.equiが2例、B.caballiが30例陽性であることが確認された。これらのことから、1970年代前半に日本国内で飼養されていたウマの中にウマバベシア抗体を有するものが存在したことが明らかになった。 3.ウマバベシア症の流行地であるモンゴル国ウランバートル市周辺の草地から2000年4月に、ウマバベシアの媒介者となることが報告されているカクマダニの1種Dermacentor nuttaliを採集し、得られた卵、幼・若・成ダニ体内のB.equi、B.caballi原虫の存否を確認するためのPCR法の検討を行った。この研究によって、モンゴルのD.nuttaliは両原虫に高率に重感染しているとともに、原虫が介卵伝達によって次世代に伝搬される可能性が明らかになった。 4.今回の研究によって、日本国内にウマバベシア抗体陽性、とりわけB.caballi抗体陽性のウマが多いことが示されたことから、日本の最優占マダニ種であるフタトゲチマダニHaemaphysalis longicornisについて、B.caballi原虫媒介能について検討した。実験はウマ赤血球置き換えSCIDマウスにB.caballiを感染させ、これを吸血したフタトゲチマダニ体内の原虫DNAの消長を(3)のPCR法によって調べることによった。その結果、感染血液を摂取したフタトゲチマダニの雌ダニとこれの産んだ卵、卵から孵化した幼ダニには原虫DNAが検出され、フタトゲチマダニがB.caballi媒介能を有する可能性が示めされた。 5.ウマバベシア原虫感染に対する媒介ダニの防御応答を明らかにし、将来のtransmission blocking vaccine開発の基礎となる知見を得るために、マダニのヘモサイトの貧食能、マダニ体内の生物活性物質のクローニングと特性解明を行った。
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