研究課題/領域番号 |
11556063
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
生物資源科学
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
中野 長久 大阪府立大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (20081581)
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研究分担者 |
辰巳 雅彦 関西電力(株), 研究開発室, 課長
乾 博 大阪府立大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (20193568)
宮武 和孝 大阪府立大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (70094513)
辰己 雅彦 関西電力株式会社, 研究開発室, 課長
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
13,600千円 (直接経費: 13,600千円)
2001年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2000年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1999年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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キーワード | ユーグレナ / 導光板 / LED / シリンドリカルレンズ / 血圧上昇抑制 / コレステロール吸収抑制 / タウリン / パラミロン / 導光板装置培養槽 / 光利用効率 / タウリンの蓄積 / 血圧抑制効果 / ワックスエステル / 導光板装着培養槽 / 光利用率 / 太陽エネルギー / 炭酸ガス固定 / 細胞組成 / 動物実験 |
研究概要 |
液晶画面を用いた導光板とシリンドリカルレンズの利用により、太陽光を水面下1mの深さにまで光を均一に分布させることを可能にした培養槽を考案し、夜間は深夜電力を利用してLED(発光ダイオード)の2波長(青色ダイオードと赤色ダイオード、1:10のライト比)を照射した。この培養法を用いて、動物と植物両者に分類されるユーグレナ(Euglena gracilis)を培養した。この方法により、光合成による炭酸ガス固定率は60〜70%という高い値が得られた。ちなみに稲は0.8%、トウモロコシは1.5%であり、これらの40〜50倍の速度で炭酸ガス固定が可能であることを可能にした。このことは、環境問題解決の面からも、CO_2低減化に資することになる。 また、宇宙科学の分野では、将来宇宙基地におけるCO_2/O_2交換システムを、生物学的に稼動させる方法として確立させ得る可能性を示している。また一方で、このユーグレナ細胞の栄養価如何により、宇宙での食料資源あるいは将来訪れると考えられている食糧危機打開のための生物として利用できる可能性を持つことがわかった。 そこで、栄養実験を行なったところ、タンパク質は牛乳カゼインに匹敵し、ビタミン、ミネラルは豊富で、この細胞を供試するのみで市販飼料と同量の生育を示すことを明らかにした。一方、細胞成分の分析の結果から、EPA、DHAを多く含み、かつパラミロン(ポリ-β-1,3-グルカン)を含むことから、血圧上昇抑制、コレステロール吸収抑制効果を検討したところ、これらの効果が強く認められた。 さらに、ユーグレナ食を与えると、ラット筋肉組織および肝に著量のタウリンが生成蓄積することが判明した。しかしながら、ユーグレナにはタウリンが含まれないことから、ユーグレナ細胞中に多量に含まれる含硫アミノ酸(メチオニンおよびシステイン)の摂取により、ラット体内でタウリンが合成されるものと推定した。以上のように、ユーグレナは将来の食資源としての有用性だけでなく、地球温暖化防止にも寄与することが証明できた。
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