研究課題/領域番号 |
11557002
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
生理学一般
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
松村 潔 京都大学, 情報学研究科, 助教授 (10157349)
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研究分担者 |
小林 茂夫 京都大学, 情報学研究科, 助教授 (40124797)
鈴木 和年 京都大学, 放射線医学総合研究所, ユニットリーダー
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
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キーワード | ポジトロン / 脳スライス / カリウムイオン / ナトリウム-カリウム ポンプ / テトロドトキシン / 乳酸 / ピルビン酸 / カソウムイオン / ナトリウム-カリウムポンプ / ポジトロン核種 / ナトリウム―カリウムポンプ |
研究概要 |
^<38>K^+の蓄積量の脳内分布 スライスの培養液柱に^<38>K^+を加え、経時的に脳スライスへの取り込みのイメージングを行った。脳スライスへの^<38>K^+蓄積量は時間経過とともに増加した。その程度は脳全体で均一ではなく、明確な部位差が認められた。終脳、間脳で高く、下位脳幹部では低い。 ^<38>K^+の蓄積の意味 ^<38>k^+の蓄積量はNa^+/K^+-ATPase(Na^+/K^+ポンプ)の阻害剤であるウアバイン(0.1mM)により大きく低下した。この結果は、^<38>K^+の蓄積量の大部分が脳スライスのNa^+/K^+ポンプ活動を表していることを示す。またカリウムチャンネルの阻害剤であるBa^<2+>(1mM)によりわずかに増加した。この結果は、Na^+/K^+ポンプにより取り込まれた^<38>K^+が細胞内からカリウムチャンネルを通って細胞外に出るのをBa^<2+>が阻害したためと考えられる。^<38>K^+の蓄積量は神経細胞の活動電位発生を阻止するテトロドトキシン(TTX,2μM)処理によっても有意に変化しない。このことから、^<38>K^+の蓄積は神経細胞活動の影響を受けにくい定常的なNa^+/k^+ポンプ活動を表していることが示唆される。 ^<38>K^+の蓄積を指標にした脳スライスエネルギー基質の解明 Na^+/K^+ポンプの駆動にはATPが必須である。したがって^<38>K^+の蓄積を指標に、グルコースに変わりうるエネルギー基質について検討した。細胞外液からグルコースを取り除くと、^<38>K^+の蓄積は4時間後のほぼ完全に消失した。しかし、無グルコースの細胞外液にピルビン酸(5mM)あるいは乳酸(5mM)を添加しておくと、^<38>K^+の蓄積が部分的に維持された(図9)。すなわち、これらの有機酸は脳スライスにおけるNa^+/K^+ポンプの駆動のためのATP産生に寄与する。その他の有機酸、脂肪酸について、今後さらに検討する。
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