研究課題/領域番号 |
11557011
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
南 康博 神戸大学, 医学部, 教授 (70229772)
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研究分担者 |
飯郷 裕 第一製薬株式会社, 創薬第四研究所, 副主任研究員
田中 良哉 産業医科大学, 医学部, 教授 (30248562)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
11,200千円 (直接経費: 11,200千円)
2000年度: 5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
1999年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
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キーワード | リンパ球 / プロトオンコジーン / H-Ras / c-Myc / 細胞接着 / インテグリン / 遺伝子発現 / 癌抑制遺伝子 |
研究概要 |
本研究においては、まずマウスプロB細胞株(BAF-B03細胞)において活性型H-Rasがα_4,α_6インテグリンを活性化し、その結果フィブロネクチン、ラミニンへの細胞接着性が亢進すること、また活性型H-Rasとc-Mycが協調的に作用することにより、α_4インテグリンの活性化に加え、そのリガンドであるVCAM-1が発現誘導されることによりホモフィリックな細胞凝集が誘導されること、さらにα_6インテグリンの発現が抑制されることによりラミニンへの接着性が著しく減弱することを明らかにした。また、活性型H-Rasとc-Mycを構成的に発現するBAF-B03細胞をヌードマウスに移植すると、腫瘍形成に加え、腫瘍の浸潤・転移を引き起こすことを見出した。前述したα_6インテグリンの発現抑制によるラミニン接着能の低下は、腫瘍細胞の原発巣からの離脱の過程に関わることが考えられる。今後は、異なる細胞種におけるH-Rasとc-Mycによる細胞接着制御の共通点・相違点を明らかにするとともに、前述の腫瘍の浸潤・転移モデルマウスを用いて治療への応用の基礎研究を展開することが重要と考えられる。また、本研究により、慢性関節リウマチ(RA)滑膜細胞がICAM-1の発現レベルにより機能の異なる2つの亜分画群に分けられることが明らかとなった。即ち、ICAM-1陽性細胞は、細胞周期が停止しアポトーシスに陥った細胞群であり、一方ICAM-1陰性細胞は、細胞増殖活性の高い細胞群である。今後、治療への応用を考える場合には、ICAM-1陰性細胞群が重要なターゲットとなると考えられる。
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