研究課題/領域番号 |
11557039
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
内科学一般
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
中西 憲司 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (60172350)
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研究分担者 |
岡村 春樹 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (60111043)
善本 知広 兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (60241171)
筒井 ひろ子 兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (40236914)
審良 静男 大阪大学, 医学部, 教授 (50192919)
水谷 仁 三重大学, 医学部, 教授 (30115737)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
12,900千円 (直接経費: 12,900千円)
2001年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2000年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
1999年度: 6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
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キーワード | IL-18 / CD4_+T細胞 / IgE / アトピー性皮膚炎 / Caspase-1Tg / IL-18Tg / 自然型アトピー / Caspase-1 / アトピー性皮膚炎(AD) / 高IgE血症 / Caspase-1阻害剤 / アトピー様症状 / Caspase-1遺伝子トランスジェニックマウス |
研究概要 |
IL-18は抗CD3抗体とIL-12の存在下でTh1細胞からIFNγの産生を誘導する因子として発見された。IL-1βの様に、IL-18は前駆体で作られCaspase-1の作用で活性型に変換される。最近、我々はIL-18を正常なマウスに投与すると、CD4^+T細胞を刺激してIL-4とCD40Lの発現を誘導することで、B細胞からのIgE産生を誘導することを明らかにした。アトピー性皮膚炎(AD)は好塩基球あるいは肥満細胞由来の様々な因子によっておこされる掻痒を伴う皮膚疾患である。IL-18がこれらの細包を直接的に刺激してIL-4、IL-13、ヒスタミン等の産生を誘導するので、IL-18がアレルゲン、あるいはIgEの関与なしにアトピー性応答を誘導するかどうか検討した。このような目的で、我々は皮膚のケラチノサイトにCaspase-1あるいはIL-18を過剰発現したトランスジェニックマウス(Tg)を作製した。どちらのTgもSPFで飼育されているにもかかわらず、大量のIL-18とIgEを産生するとともに、血清中のヒスタミン値も高く、肥満細胞の浸潤を伴うAD様症状を呈した。Caspase-1TgからSTAT6を欠損させたところ、IgE産生は完全に抑制されたが、AD様症状は改善されなかった。一方、IL-18を欠損したCaspase-1Tgを作製したところ、AD様症状は完全に抑制された。IL-18TgはADを発症したが、発症に長時間を要した。また、IL-1をCaspase-1Tgから欠損させると、ADの発症は著明に遅れた。以上、IL-18とIL-1の過剰産生が原因で急性ADが発症することが明らかとなった。我々はADをallergen/IgE依存的な獲得性アトピーとIL-18依存性、IgE非依存性の自然型アトピーに分類できると考えている。今回の成果から、Caspase-1/IL-18を標的とした有効なアレルギー症の治療法の確立が期待される。
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