配分額 *注記 |
8,800千円 (直接経費: 8,800千円)
2001年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2000年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1999年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
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研究概要 |
肝細胞癌組織に特異的に発現し発癌に関与している遺伝子を同定する目的で、肝細胞癌症例の癌部と非癌部組織での遺伝子の発現をSSH法を用いて解析した。その結果、癌部で7つの既に知られている遺伝子と2つの未知の遺伝子が高発現しており、decorinが抑制されていた。次に、肝細胞癌患者と非肝細胞癌患者から得られたC型肝炎ウイルスの全塩基配列を決定し、相互に比較検討した。その結果、肝細胞癌患者において高頻度に認められる変異部位があり、これらの数を加算すると非肝細胞癌患者よりも有意に高い数値であった。一方、C型肝炎ウイルス感染レセプターと推定されているCD81の多様性は病期により変化していなかった。しかし肝細胞癌患者の癌組織と末梢血のCD81は6例中3例で3'端非構造領域の相違が認められた。更に、HCV replicon(R)を用いてHCV遺伝子変異が感染細胞に及ぼす影響を検討した。NS5A蛋白はtransにR増殖を抑制し、ISDR上流のserine残基の変異は増殖活性にcriticalであった。R増殖の際に1,217遺伝子の大部分は有意に発現が変動しなかったが、IL-8,GRO1,GRO2などが発現低下していた。慢性肝炎組織ではchemokine(CK)遺伝子の発現が増強しており、培養肝細胞ではNS5A蛋白自身が制御配列の活性化によりCKの過剰発現を誘導した。NS5A蛋白はCK遺伝子発現を修飾することにより、C型慢性肝炎の病態形成に関与すると考えられた。培養肝細胞にHCVコア蛋白を発現させ、細胞内mRNAの発現の変化をDNA microarrayを用いて解析検討したところ、コア発現細胞において、v-myc, PCNA, DACD-1, HDGF等が発現上昇し、v-jun, VEGF, IRF-1, IL8などが発現抑制されていた。これらの変化が肝発癌と関連している可能性が示唆された。
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