研究課題/領域番号 |
11557053
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
斎藤 能宏 (斎藤 能彦) 京都大学, 医学研究科, 助教授 (30250260)
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研究分担者 |
寺岡 宏 塩野義製薬株式会社, 診断医学事業部, 部長(研究職)
吉村 道博 熊本大学, 医学部・附属病院, 講師 (30264295)
小川 佳彦 (小川 佳宏) 京都大学, 医学研究科, 助手 (70291424)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
13,200千円 (直接経費: 13,200千円)
2000年度: 6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
1999年度: 6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
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キーワード | eNOS遺伝子 / 遺伝子多型 / RPA1 / マイクロプレート法 / Nox / NOx / 転写因子 |
研究概要 |
我が国においては、欧米と比べ冠攣縮性狭心症の頻度が高いことを考えると、循環器疾患の成因の解明と予防戦略を立てる上で、冠攣縮の発症機序の解明とその診断法の開発は、我が国の循環器医療の特に重要な問題と思われる。この様な観点から、我々は、熊本大学循環器内科、泰江弘文前教授と共同で冠攣縮性狭心症発症機序にeNOS遺伝子異常が関与しているとの仮説に基づき、eNOS遺伝子の全エクソン、5'転写調節領域1.6Kbpにわたって遺伝子多型を検索し、Glu298Asp多型とT-786C多型を発見した。 Glu298Asp変異は機能解析をした結果、このアミノ酸変異ではeNOS酵素活性には変化が生じなかった。しかし、T-786C変異ではこれらの変異を含むリポーター遺伝子を作製してeNOS遺伝子転写に及ぼす効果を検討すると、変異体でリポーター活性が低下していた。ゲルシフトアッセイとT-786C部位の欠失変異体を用いた検討から、この変異に伴う転写活性の低下には-786C変異体ヘサプレッサーが結合していることが示唆された。そこで、Hela細胞を種発材料としてこのサプレッサーを精製した結果、そして以前はDNA修復や複製に関与することのみ知られていたReplication protein A1がサプレッサーとして働いていることを証明することが出来た。また、T-786C変異型eNOSw遺伝子の保有者では血中NOx濃度が低下しており、また、変異型胎盤でのeNOSmRNA濃度は野生型に比べ有意に低下していることが確かめられた。ポストゲノム時代を迎え、ゲノム医療が開始されようとしている現在、遺伝子多型に基づいた診断薬の開発は今後益々重要になると思われ、本研究が良い前例となれば幸いである。
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