研究課題/領域番号 |
11557081
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
代謝学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
堀内 正公 熊本大学, 医学部, 教授 (10117377)
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研究分担者 |
小池 博之 三共株式会社, 第一生物研究所, 所長
山田 信博 筑波大学, 臨床医学系, 教授 (40200729)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
13,500千円 (直接経費: 13,500千円)
2000年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
1999年度: 8,300千円 (直接経費: 8,300千円)
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キーワード | 糖尿病合併症 / メイラード反応後期生成物 / AGE / AGE受容体 / スカベンジャー受容体 / RAGE / Galectin-3 / コレステロール逆転送系 / ノックアウトマウス |
研究概要 |
蛋白はグルコースによって非酵素的に糖化を受け、後期反応生成物(AGE:Advanced Glycation Endproducts)を形成し、また、生体にはSR-A、Galectin-3、及びRAGE等のAGE受容体の存在が提唱されている。本課題研究では、これら受容体の意義に関して分子レベルの解析を行った。ヒトGalectin-3をCHO細胞に過剰発現させた結果、本細胞はAGE蛋白を濃度依存的に取り込み分解した。又、アセチルLDLや酸化LDLに対しても同様の挙動を示した。本結果よりGalectin-3がAGE受容体のみならず、修飾LDL受容体としても機能していることが示唆された。RAGEに関しては、マウスRAGEを高発現させたトランスジェニックマウスの作製に成功した。これらのマウスは心臓、腎臓、肝臓、肺、マクロファージなど比較的広範囲に発現しており、現在、これらのマウスをストレプトゾトシンで糖尿病を誘導して、経過を生化学的並びに形態学的解析を進めている。又、平成12年度にマウスRAGEのターゲンテイングベクター作製に成功し、現在、RAGE遺伝子欠損マウスの作製に着手している。細胞レベルの解析では、ヒトRAGEを高発現するCHO細胞の作製には成功した。しかし、AGEリガンドはこれらの細胞に対して特異的結合は示さなかった。 我々が最初にAGE受容体として同定したSR-Aは、酸化LDLをリガンドとすることが知られている。本研究においては、Class Bスカベンジャー受容体に属するCD36およびSR-BIがAGEをリガンドとして認識するか否かを高発現細胞を用いて検討した。その結果、CD36はAGE蛋白をリガンドとして、細胞内取り込み・分解を担うことが判明し、CD36もAGE受容体として位置付けられた。又、SR-BIはHDL受容体としても知られており、HDLによるコレステロール逆転送系に作用している。実験の結果、AGEはこれらの両プロセスを効果的に抑制することが判明した。即ち、SR-BIはAGE受容体として機能しており、生体ではHDLのコレステロール逆転送系を抑制している可能性が示唆された。
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