研究課題/領域番号 |
11557083
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
横山 逸男 名古屋大学, 医学部, 講師 (60240206)
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研究分担者 |
小林 孝彰 名古屋大学, 医学部, 助手 (70314010)
林 衆治 名古屋大学, 医学部, 助手 (30218573)
波井 康 名古屋大学, 医学部, 医員
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
13,500千円 (直接経費: 13,500千円)
2000年度: 6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
1999年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
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キーワード | 臓器移植 / 急性拒絶反応 / 細胞毒性リンパ球 / アポトーシス / シグナル伝達 / Fas抗原 / カルシウム / アンチセンスペプチド / Fas / Bax / bcl-2 / Caspase / Fasリガンド / アデノウィルス / リポゾーム / エンドベータガラクトシダーゼ |
研究概要 |
同種移植においては、免疫担当細胞の活発な相互反応が引き起こされ、そのメカニズムの中軸をなすものはレシピエント側の抗原提示細胞とリンパ球の働きである。また、移植片とともに移入されるドナー側の抗原提示細胞とレシピエント側のリンパ球との直接型認識も起こりうる。今回の研究にあたっては、このマイクロキメリズムが少数細胞であり移植片から離れた場所に存在するという生物学地理学的特殊性があることに注目し、ドナー由来の抗原提示細胞がレシピエント自身を構築するペプチド分子を表示しながら、一部のレシピエントリンパ球を教育することでサプレッサー機能を有する細胞集団を作り出すという仮説をたて、研究を行なった。その結果、本研究の成果として以下の4点があげらる:1)同種移植の免疫寛容のメカニズムの分子生物学的解明;2)細胞傷害誘導細胞膜因子および細胞質・核内因子の発現定量とシグナル伝達;3)免疫関連因子のアンチセンスペプチドの解析;4)臨床応用に向けた免疫寛容の誘導のこころみ細胞活性に関わる種々のタンパクには、本来の機能を決定付ける活性部分は少数のアミノ酸からなるペプチド部分に限られるという特性がある。すなわち、活性因子とのレセプター結合は数個のアミノ酸分子間の相互作用の働きによっている。特にFas抗原あるいはFasリガンドの遺伝子構造の一部を利用し、細胞活性を有するペプチドを合成し、一部のリンパ球に、免疫反応を抑制する能力を有するサプレッサー細胞の誘導が可能であることを示唆しうる。 今後は標的細胞と宿主の接点に焦点を合わせた新しいコンセプトに基づく免疫制御手段の開発が可能性であると考えられる。すなわち臓器移植として提供される臓器を移植前に、分子生物学的処理を行った後、移植を行うことによって、現行の臓器移植の持つ宿主に与える影響、たとえば易感染などの問題を克服することができると信じる。
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