研究課題/領域番号 |
11557102
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
胸部外科学
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研究機関 | 国立循環器病センター |
研究代表者 |
高野 久輝 国立循環器病センター研究所, 副所長 (60028595)
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研究分担者 |
西中 知博 国立循環器病センター研究所, 人工臓器部, 室長 (00256570)
巽 英介 国立循環器病センター研究所, 人工臓器部, 室長 (00216996)
妙中 義之 国立循環器病センター研究所, 人工臓器部, 部長 (00142183)
築谷 朋典 国立循環器病センター研究所, 人工臓器部, 室員 (00311449)
中村 真人 東京医科歯科大学, 助教授 (90301803)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
12,100千円 (直接経費: 12,100千円)
2001年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2000年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
1999年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
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キーワード | 人工心臓 / 無拍動流ポンプ / 定常流 / 左右両心補助循環 / 制御 / モータ電流 / 両心補助循環 / 流量制御 / 脳 / 代謝 / 電流 / 心室細動 |
研究概要 |
小型軽量化で完全体内埋め込み型の開発が可能な無拍動流ポンプは次世代型の人工心臓として注目されている。無拍動流ポンプによって得られる血流は定常流であり、血流の脈圧が高度に低下するためこれに伴った生理学的変化が来される可能性があるため無拍動流ポンプによる循環管理のためにはこの点を明らかにすることが必須である。一方でこの無拍動流ポンプは後負荷応答性が高く流量が変動しやすい性質を有しているために、特に両心補助循環に対してはその流量制御方法を確立することが不可欠である。本研究では、定常流両心補助循環施行の上で臨床使用上有用な制御法を確立するため以下の項目について検討を重ねた。 体循環肺循環に関する生理学的検討 血管収縮能、圧受容体感受性、自律神経機能、脳代謝、液性因子について検討した。その結果、定常流左心補助循環の施行に伴い、血管収縮反応については有意な低下を示し、心拍変動を用いた自律神経機能解析からは心臓自律神経活動のうち副交感神経の亢進の傾向を認めた。圧受容体感受性、脳代謝、脳病理、液性因子については有意な変化を認めなかった。肺循環系に関しては定常流右心補助循環自体は肺に明らかな影響はおよぼさないことが明らかとなった。 定常流補助循環施行時のポンプ駆動制御に関する検討 無拍動流ポンプの流量をポンプ駆動モータ電流と回転数から計測する手法を開発し、慢性動物実験にてその有効性を確認した。計測されたモータ電流波形はきわめて高い応答性を有しており、ポンプ流量過多時に発生する脱血管の吸い付き現象の検出が可能であった。したがって本測定方法は、ポンプ至適流量の自動判定や、心拍数の測定を通じた制御への応用が可能であると考えられた。また、無拍動流ポンプを駆動制御するためにモータ電流波形の振幅変化に注目した。慢性動物実験により電流振幅指数から、補助循環状態が部分補助から完全補助に移行する点と過補助による心室内脱血管の吸い付き現象が始まる点の同定が可能であった。また完全補助の状態では左心室圧の推定が可能であり電流の振幅から左心室の収縮力の変化が検知できた。 定常流両心補助循環施行時の循環制御に関する検討 後負荷に依存する無拍動流ポンプの流量変動を最小限にするために、左右各ポンプ流出路に抵抗を設けポンプ特性を変化させ、従来より高回転で駆動することにより流量を一定にする制御法を開発した。また本制御法を適用した慢性動物実験モデルを作成し、通常活動の範囲内においては一定の左右流量バランスの維持が可能であることを確認した。
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