研究課題/領域番号 |
11557106
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 岐阜薬科大学 |
研究代表者 |
古川 昭栄 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (90159129)
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研究分担者 |
古川 美子 愛知文教女子短期大学, 教授 (20219108)
新田 淳美 岐阜薬科大学, 薬学部, 助手 (20275093)
野元 裕 岐阜薬科大学, 薬学部, 助教授 (80164747)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
13,200千円 (直接経費: 13,200千円)
2001年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2000年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1999年度: 9,600千円 (直接経費: 9,600千円)
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キーワード | 免疫抑制剤 / 神経栄養因子 / 脊髄損傷 / 神経保護作用 / 神経再生 / 損傷報復 / 損傷修復 / イムノフィリン / サイクロスポリンA / グリア細胞株由来神経栄養因子 / ラット / 遺伝子導入 / 酵素免疫測定法 / 脳由来神経栄養因子 / タクロリムス / マウス |
研究概要 |
これまでの研究により、免疫抑制剤が神経栄養因子の産生を促進する活性を持つことが明らかとなった。これまで知られていた免疫抑制剤による神経保護作用の少なくとも一部はこの神経栄養因子産生促進活性に起因すると推定された。しかし神経保護作用を期待するとき免疫抑制作用は生体に不利益をもたらす恐れがある。そこで本年度は免疫抑制作用をもたないイムノフィリンリガンドリガンドの探索と薬効判定を試みた。タクロリムスがイムノフィリン(FKBP12)に結合する構造に注目し、これと類似した構造を持つLeu-Ileジペプチドとその類縁物質「A」について検討した。両物質は神経栄養因子の産生を促進し、培養下で神経細胞死を抑制すること、さらに培養脾臓細胞によるインターロイキン2の産生を抑制しないことを明らかにした。以上の結果よりいずれの物質も免疫抑制作用をもたない新しいイムノフィリンリガンドであると考えられたので、胸髄を半切断した脊髄損傷ラットを作製し、「A」物質を腹腔内に毎日投与した。投与開始3日目から歩行能力が回復し23日後にはほぽ損傷前のレベルにまで運動機能が回復した。無処置の脊髄損傷群も時間の経過に伴い緩やかに運動機能が上昇したが投与群より低いレベルにとどまり、16日後以降の回復は観察されなかった。以上、[A]物質は脊髄損傷の修復に有効であることが示唆された。Leu-Ileジペプチドにっいても現在検討中である。これらの免疫抑制作用をもたないイムノフィリンリガンドをリード化合物してさらに強力な活性物質が創製できれぱ、脊髄損傷をはじめとする中枢神経疾患の治療薬の開発につながるものと期待される。
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