研究課題/領域番号 |
11557116
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
並木 幹夫 金沢大学, 医学部, 教授 (70155985)
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研究分担者 |
三好 憲雄 (三好 忠雄) 福井医科大学, 医学科, 助手 (40209961)
越田 潔 金沢大学, 医学部, 講師 (70186667)
打林 忠雄 金沢大学, 医学部, 助教授 (90151894)
宇田川 毅 石川島播磨重工業(株), 開発部, 課長
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2000年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
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キーワード | 青紫色半導体レーザー / 光力学的治療 / 蛍光診断 / ヒト悪性黒色腫由来細胞 / 扁平上皮癌 / フローサイトメーター / 超音波力学的治療 / ネクローシス細胞死 / 膀胱癌 / アポトーシス細胞死 / 光感受性物質 / レーザー光照射 / 超音波照射 / 悪性黒色腫 / アポトーシス / 光増感剤 / YAGレーザー |
研究概要 |
1.研究目的 申請当時の計画に従い、小型で新型の光力学的診断治療の青紫色半導体レーザー装置(ILS-LD400型,石川島播磨重工業株式会社製)を用いて本レーザーの特性を癌培養細胞と実験腫瘍モデルで、蛍光診断とがん治療の開発に適用することを目的とした。 2.研究方法および成果 (1)がん由来培養細胞の光力学的レーザー治療と超音波力学的治療との併用治療: ヒト悪性黒色腫由来培養細胞(HMF)に新光感受性物質5-ALA(5-Aminolevulinic Acid)を4時間取り込ませて洗浄後、本レーザ光照射(405nm,2mW/10min)及び超音波照射(47kHz,50W)を行い、生体蛍光染色キットにて染色してアポトーシスとネクローシス細胞死の割合をフローサイトメーターで計測した。その結果併用治療の場合は単独治療に比してネクローシス細胞死の割合が有意に増大した。照射順序による差を検討した結果、レーザー光照射を超音波照射より先に試行した方が、その増大率が大であった。今後、この種の併用治療には、レーザ光照射を先行させるべき治療指針を得た。 (2)実験腫瘍モデルでの新光増感剤の取り込み蛍光診断: 実験腫瘍モデル(扁平上皮癌:SCC)移植C3H/Heマウスを用いて光増感剤5-Aminolevulinic Acid(=5-ALA)の経皮的投与における腫瘍細胞の光増感剤取込みに対する超音波照射(1MHz)の効果を検討した。5-ALAが腫瘍内で代謝生成したProtoporphyrin-IX(Pp-IX:実質的光増感剤)生成量を本レーザ励起により蛍光観察した。その結果、超音波非照射群に比してPp-IX蛍光が約2倍に増大し、取り込み部位の腫瘍実質への移行が蛍光分光分析、蛍光顕微鏡観測および本レーザー光励起により肉眼的にも観測できた。 3.結論および今後の展開 本研究成果より、膀胱への5-ALA生理食塩水の直接注入後の超音波照射法はPp-IX光増感剤の腫瘍集積性を増大させる可能性が期待できる。今後、上記5-ALA膀胱直接注入法と合わせて本レーザー光励起による膀胱がん診断に応用し、具体的臨床治験の申請を行う予定である。
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