研究課題/領域番号 |
11557131
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
栗栖 浩二郎 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (50028346)
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研究分担者 |
樋口 義信 中外製薬(株), 研究員
加藤 穣慈 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (90243245)
岩本 容泰 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 講師 (30223431)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
8,200千円 (直接経費: 8,200千円)
2000年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1999年度: 5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
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キーワード | 顎顔面 / 遺伝子 / 導入 / マウス / 形態形成 / 発生 / 器官培養 / ベクター |
研究概要 |
本研究では、構築が容易で、導入後に遺伝子の発現が制御できるようなレトロウイルスベクターを開発し、これを高電圧パルス穿孔法で直接組織に導入して、その部位の細胞にウイルスを産生させることにより、従来より簡便に、発生中の顎顔面組織のような微小領域に、高効率かつ選択的に遺伝子を発現できるような技術基盤の確立を目指した。[1]ニワトリレトロウイルスベクターRCASにCre-lox Pシステムの応用により導入遺伝子の発現制御を試みた。感染力の弱いsubgroup Eのニワトリレトロウイルスベクターにlox-P配列を組み込み、感染力の強いsubgroup BのウイルスベクターにCre recombinaseを組み込んだ。レポーターにはGFP遺伝子を用いた。ウイルスフリーのSPF卵より線維芽細胞を分離して、GFP遺伝子を組み込んだウイルスを感染させた。その後、さらにrecombinaseを組み込んだウイルスを感染させた。感染一週間後に、蛍光顕微鏡にて細胞内でのGFP発現を観察した。GFP遺伝子のみを導入した細胞では、70%以上がGFP発現が検出された。一方、GFPおよびCre recombinase遺伝子を導入した細胞では、GFPの発現はほぼ完全に消失した。[2]また、高電圧パルス穿孔法による遺伝子導入条件の検討を行なった結果、遺伝子を導入する組織の抵抗値によって条件は、若干異なるものの、20-60V/cmの電圧で50msec、2-4回のパルスの範囲で至適であった。[3]さらに、同方法の実用化を検討する目的で、マウス培養歯胚の微小領域にソニックヘッジホッグ(Shh)遺伝子を導入する実験を行なった。Shh遺伝子がエナメルノットに導入された歯胚では、遺伝子導入部位での同遺伝子発現が確認された。また、同遺伝子に対するアンチセンスオリゴによる歯胚発生阻害作用を一部レスキューした。以上の実験結果より微小領域に、高効率かつ選択的に遺伝子を発現することは技術的に可能であることが明かとなった。
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