研究課題/領域番号 |
11557133
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
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研究機関 | 神奈川歯科大学 |
研究代表者 |
梅本 俊夫 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (20067036)
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研究分担者 |
渡辺 清子 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (70148021)
小園 知 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (40084785)
熊田 秀文 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (60120995)
はい島 由二 国立医薬品食品衛生研究所, 療品部, 室長 (80228379)
浜田 信城 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (20247315)
高橋 祐介 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (20267511)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
13,500千円 (直接経費: 13,500千円)
2001年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2000年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1999年度: 8,400千円 (直接経費: 8,400千円)
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キーワード | 歯周病ワクチン / 経鼻免疫 / Porphyromonas gingivalis / 線毛 / rCTB / IgA / 歯周病 / ワクチン / プロテアーゼ阻害剤 / リコンビナントコレラトキシン / LPS / 歯周病予防 / 粘膜ワクチン / 分泌型IgA / P.gingivalis / 粘膜免疫 |
研究概要 |
成人性歯周炎はPorphyromonas gingivalis(Pg)の患部への定着および炎症性サイトカイン誘導能を持つ線毛やLPSの作用、同菌が産生する組織障害性のプロテアーゼにより惹起されることが明らかになりつつあるが、同症の予防・治療には有力な手段がなく、現在、根本的な予防法および治療法の開発が切望されている。本研究では、Pgの菌体表層抗原であると共に病原因子でもある線毛を免疫抗原として、Pgに対する強力な免疫抗体を誘導する粗膜適用型ワクチン開発に関する基礎的研究を行うと共に、ラット歯周病モデル系を用いてPg線毛ワクチンの効果判定を行った。 1.Pg線毛およびPg線毛/rCTBワクチンをマウス鼻粘膜に投与すると、血清IgG/gA、鼻粘膜および唾液に分泌されるIgA抗体価が顕著に上昇した。rCTB(10μg)存在下において、抗体産生を有意に誘導する線毛の最少有効量は、0.5μgであった。また、抗体産生の時間経過を検討した結果、抗原(Pg線毛0.5μg/rCTB10μg)の4回投与(O,14,21,28日目)において、血清IgG抗体価は12日目から屠殺日35日目まで上昇を続けた。粘膜免疫により誘導された血清IgGサブクラスはIgG1>IgG2b>IgG2aの順に高い抗体価が認められた。また、唾液中の分泌型IgA抗体価は18日目から上昇し、その抗体価はアジュバントの存在により有意に上昇した。 2.線毛rCTB抗原の安全性を評価した結果、Pg線毛(5μg)/rCTB(10μg)投与群の鼻粘膜組織に軽度の炎症細泡浸潤が認められたが、肥満細胞は観察されなかった。また、同実験群ではNALTの腫大およびリンパ濾胞の形成も認められると共に、鼻粘膜固有層にIgA陽性形質細胞が観察された。 3、Pg感染により誘発される歯槽骨吸収を指標としたラット歯周病モデル実験系を用い、Pg線毛ワクチンの歯槽骨吸収阻止効果を評価した結果、Pg感染により起る歯槽骨吸収は、ワクチン非投与群では0.61mmの骨吸収が認められたのに対し、ワクチン投与群では0.16mmと明らかな骨吸収抑制された。 これらの所見は、歯周病予防に対する粘膜適応型ワクチンとして、Pg線毛rCTB抗原の有用性を示唆するものと考えられる。
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