研究課題/領域番号 |
11557173
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
物理系薬学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
内海 英雄 九州大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (20101694)
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研究分担者 |
佐野 浩亮 第一ラジオアイソトープ研究所, 研究員
増水 章季 日本電子, 分析機器技術本部, 主任研究員
市川 和洋 九州大学, 大学院・薬学研究院, 助手 (10271115)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
13,300千円 (直接経費: 13,300千円)
2000年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
1999年度: 8,800千円 (直接経費: 8,800千円)
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キーワード | 生体計測ESR / スピンプローブ / フリーラジカル / 活性酸素 / 一酸化窒素 / 脳 / 虚血再灌流障害 / レドックスバランス / in vivo ESR / ESR-CT / 脳疾患 |
研究概要 |
活性酸素や一酸化窒素をはじめとするフリーラジカルは、個々に作用を発現するほかに、生体内でラジカル間クロストークによりレドックスバランスを崩壊させ、病態発現に重要な関わりを有する可能性が指摘されるようになってきた。しかしながら、脳機能障害におけるフリーラジカルの関与に関しては、生物個体での実体は全く研究されてこなかった。これは、脳そのもののレドックスを無侵襲解析する方法が全く無かったことによる。本研究では脳機能障害と脳内フリーラジカル産出の関係を無侵襲解析するために、新たにシステムを開発することを試みた。 この目的の遂行にあたり、ESRシグナルの変形を除去することを可能とする波形分離解析システムの開発が重要である。マイクロ波の吸収に伴うESRシグナルの変形を除去するためには、ESR信号を吸収波形と分散波形に分離・処理することが最も有効であることから、新たに処理用のアルゴリズムを検討しシグナル変形除去用の波形処理システムを開発した。さらに、脳内フリーラジカル産出に対して鋭敏に応答する脳滞留性の高いエステル型プローブの中から、脳機能障害における脳内フリーラジカル産出量を鋭敏に検出することが可能なCarboxy-PROXYLのアセトキシメチルエステル体の開発を行った。 脳機能障害モデルとして、中脳大動脈の部分虚血再灌流障害ラットをナイロン糸挿入法で作製し、血液脳関門通過能を有するニトロキシドプローブおよび有しないプローブを併用的に頚動脈内に投与し、生体計測ESRで観測することで虚血時ならびに再灌流後での脳内フリーラジカル産出を無侵襲定量した。この研究を通じて、脳虚血再灌流モデルにおける脳障害へのフリーラジカルの関与についての重要な知見を得た。 本研究は、生体計測ESRを用いて動物個体を無侵襲解析するという新たな方法を構築し、レドックス代謝活性という生化学的パラメーターを動物個体とりわけ脳に適用することを試みたものである。
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