研究課題/領域番号 |
11557185
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
河野 通明 長崎大学, 薬学部, 教授 (00027335)
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研究分担者 |
松村 功啓 長崎大学, 薬学部, 教授 (60026309)
河野 功 長崎大学, 薬学部, 教授 (20038607)
尾崎 惠一 (尾崎 恵一) 長崎大学, 薬学部, 助教授 (50252466)
星野 理香 長崎大学, 薬学部, 助手 (60315265)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
13,600千円 (直接経費: 13,600千円)
2001年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2000年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1999年度: 6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
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キーワード | MAPキナーゼカスケード / ERK-MAPキナーゼ / JNK / 阻害剤 / 抗がん剤 / 抗炎症剤 / 分子標的 / ポリフェノール / 特異的阻害剤 / p38MAPキナーゼ / フラボン / MAPキナーゼ / MAPキナーゼキナーゼ / シグナル分子 |
研究概要 |
1.多くの癌細胞においてERK-MAPキナーゼ系の恒常的活性化が認められることより、ERK-MAPキナーゼ系を構成するシグナル分の機能を選択的に阻害する化合物が新しいタイプの「抗癌剤」となり得る可能性を検討した。その結果、MEK阻害剤、PD98059はERK-MAPキナーゼ系が恒常的に活性化されている癌細胞に対して選択的に、顕著なG1期集積に伴う増殖停止、さらに低頻度ではあるが癌細胞によってはアポトーシスの誘導を認めた。PD98059はヒト2倍体繊維芽細胞に対してもある程度の増殖抑制作用を示したが、それは薬物の除去によってすみやかに回復した。また、肝細胞増殖因子/MDCK細胞系を利用した解析より、ERK-MAPキナーゼ系はMatrix metalloproteinase (MMP)-9遺伝子の発現を介して、細胞運動亢進作用の制御にも深く関与していることを見出した。MMP-9は癌細胞に基底膜浸潤において重要な役割を演じていること、ERK-MAPキナーゼ系が恒常的に活性化されている多くの癌細胞においてはMMP-9の発現亢進が認められると同時にその運動性も亢進していることなどを考え併せた際、ERK-MAPキナーゼ系の選択的遮断は癌細胞の増殖抑制だけで無く、転移抑制にもつながる可能性が示唆された。 2.茶葉から単離したポリフェノールの一種、(-)-epigallocatechin-3-gallate (EGCG)およびその類似化合物が、ERK-MAPキナーゼ系を選択的に遮断することを見出した。なお、EGCGなどの標的はMEK以外の分子である可能性が高い。また、既知のMEK阻害剤、PD98059の基本骨格をもとにして合成した誘導体の中では、2-(2-amino-3-methoxyphenyl) thiochromone、2-(2-amino-3-chlorophenyl) thiochromone等のチオフラボン誘導体がPD98059に比して有意に高いMEK阻害活性を有することを見出した。 3.c-Jun N-terminal kinase (JNK)に対する特異的阻害剤として報告されたanthrapyrazolone誘導体、SP600125が、G2/M期停止介して多くの癌細胞の増殖を顕著に抑制することを見出した。
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