研究課題/領域番号 |
11558067
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
環境影響評価(含放射線生物学)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山本 和生 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (20093536)
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研究分担者 |
竹内 栄 岡山大学, 理学部, 助手 (20226989)
井出 宏之 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (70022704)
山本 博章 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助教授 (40174809)
鈴木 格 ポーラ化成工業株式会社, 皮膚科学研究部, 研究員
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
13,800千円 (直接経費: 13,800千円)
2001年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2000年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1999年度: 8,800千円 (直接経費: 8,800千円)
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キーワード | 色素細胞 / メラニン色素産生 / DNA損傷の修復 / 紫外線感受性 / チロシナーゼ転写調節領域 / リン酸化 / 3本鎖ラセン構造 / UvrA及びUvrBタンパク質 / DNA修復能 / メラニン色素産生能 / チロシナーゼ / MSH / pink-eyed / ピリミジン2量体 / 光回復酵素遺伝子 / トランスジェニックマウス / 5'非翻訳領域 / melanocortin-1 receptor / 6-4付加体 / 色素性乾皮症A群 / 色素生産能 / メラニン産生 / αMSH / 固相化 |
研究概要 |
本研究は、紫外線(UV)防御に重要な役割を果たす色素細胞のメラニン色素産生にかかわる遺伝子群、ガンや老化の原因となる紫外線によるDNA損傷を修復するシステムに関わるタンパク質の発現量をモニターすることによって個々人の紫外線感受性を測定し、紫外線による損傷の予防措置を容易にすることを目的とした。1)メラニン色素産生の鍵酵素チロシナーゼ転写調節領域の解析を行った。その結果、シスエレメントに結合するトランス因子の結合を、3'UTRが本鎖ラセン構造形成に関与することにより阻害し、自身の遺伝子発現を調節する可能性を明らかにした。また、哺乳動物、鳥類、は虫類の当該遺伝子の転写調節領域にE-boxをコアとする配列があった。この両端の配列を加えてM-boxと呼ばれる配列は、βHLH-LZ型の転写調節因子が認識するサイトで、UV照射を受けた色素細胞内で、p38によるタンパク質のリン酸化が重要であることが明らかになり、この研究においても当該遺伝子の発現とその修飾がますます重要になることが予想される。2)小眼球症遺伝子の発現は色素細胞の機能亢進のよいマーカーになるので、その遺伝子構造と発現プロファイルを明らかにした。哺乳動物は色素細胞を発生させる二つの系譜を持つ。すなわち間脳から分化する網膜色素上皮と脊椎動物特異的な胚組織である神経冠に由来するメラノサイトである。この遺伝子座の変異体で、メラノサイトの発生のみが異常になる突然変異体マウスを用いて、メラノサイトの分化にはMタイプと呼ばれるアイソフォームの発現を必須とすることを明らかにできた。したがって、ヒト個々人の紫外線感受性を評価するには小眼球症遺伝子産物のMアイソフォームの活性をモニターすることが重要である。3)皮膚に低線量の紫外線を照射し、色素細胞においてメラニン合成に関わる主な遺伝子の転写活性を明らかにした。紫外線による日焼けには、色素合成に関わる遺伝子の転写レベルでの調節が必要であり、この過程にはプロオピオメラノコルチンに由来するメラニン細胞刺激ホルモンや副腎皮質刺激ホルモンが関わっている可能性が高い。したがって、ヒトの紫外線感受性評価には、これらを考慮して解析する必要がある。4)紫外線DNA損傷修復する酵素遺伝子をクローニングし現在特許申請中である。損傷に対する抗体のを用い、損傷定量のシステムを完成した。紫外線損傷を修復する大腸菌酵素、UvrA及びUvrBタンパク質に対する抗体を用い、修復酵素系の発現と損傷認識の関係を明らかにした。
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