配分額 *注記 |
6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
2001年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1999年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
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研究概要 |
赤潮プランクトン,ヘテロカプサ・サーキュラリスカーマを,Iwasaki II培地を用いて培養し,その藻体に含まれる毒性物質の検索を行なった。遠心分離によって集めた藻体をトルエン-メタノールで抽出した後,トルエン可溶性画分をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。分画後,それぞれの画分について,カキの心臓およびエラ細胞に対する細胞毒性活性を調べた。その結果,遊離脂肪酸画分,カロテノイド画分,ならびに糖脂質画分に細胞毒性活性が認められた。次に,遊離脂肪酸画分およびトリアシルグリセライド画分中の脂肪酸組成を調べた。一方で,ヘテロカプサ藻体中のステロール成分として,ディノステロールを単離・同定した。また,カロテノイド画分から細胞毒性活性物質としてエピジオキシコレステロールを単離・同定した。 次に,細胞毒性活性が認められた糖脂質の探索を行なうため,プランクトン藻体を1-ブタノールで抽出した後,その酢酸エチル可溶部にふくまれる糖脂質成分を分画・精製した。その際,カキ心臓細胞に対する致死および溶解活性を指標とした。酢酸エチル可溶部をシリカゲルカラムクロマト,逆相シリカゲルカラムクロマトおよび逆相HPLCによる精製を行なった結果,1種の新規糖脂質を含む3種の糖脂質を単離した。 新規糖脂質は,その比旋光度,高分解能FAB-MSスペクトルおよび各種NMRスペクトルを解析することによって,(2'S)-2'-O-(6,9,12,15-octadecatetraenoyl)-3'-O-(3,6,9,12,15octadecapentaenoyl)glyceryl 6-O-(α-D-galactopyranosyl)-β-D-galactopyranosideと決定した。単離した糖脂質類は,いずれも濃度0.13mg/mLでカキの心臓細胞に対して溶解活性を示した。
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