研究課題/領域番号 |
11558079
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
生物有機科学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
上村 大輔 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00022731)
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研究分担者 |
末永 聖武 静岡県立大学, 薬学部, 助手 (60273215)
有本 博一 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60262789)
木越 英夫 筑波大学, 化学系, 教授 (90169839)
小山 智之(諏佐 智之) 物質科学国際研究センター, 講師(研究機関研究員)
KOYAMA Tomoyuki NAGOYA UNIVERSITY, RESEARCH CENTER FOR MATERIAL SCIENCE, INSTRUCTOR
小山 智之(諏佐) 名古屋大学, 物質科学国際研究センター, 講師(研究機関研究員)
山田 薫 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 博士研究員
山田 昭浩 名古屋大学, 物質科学国際研究センター, 講師
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研究期間 (年度) |
1999 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
12,200千円 (直接経費: 12,200千円)
2002年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2001年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2000年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1999年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
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キーワード | 生物付着阻害活性物質 / 抗菌性物質 / バイオフィルム / Zamamistatin / Hedathiosulfonic acids / N-γ-Glutamyl-boletine / Tribromoacetoamide / 抗癌剤 / boletine / 抗菌活性試験法 / 野外試験 / 海洋産天然有機化合物 / 単離・構造決定 / ザマミスタチン / ナキトリオール / トリブロモアセトアミド / 生物汚損 / サンゴ / ナキジノールA / 船底塗料 / ブロモチロシン誘導体 / 生物付着阻害活性 / 付着性細菌 / 抗菌活性 / 野外実験 |
研究概要 |
海洋生物付着の前段階であるバイオフィルムの形成阻害活性物質を探索することを特徴とする研究の結果、新規物質であるZamamistatin、Hedathiosulfonic acids、N-γ-Glutamyl-boletine、Tribromacetamide誘導体を含む10種を越える抗菌物質を天然から見出した。量的供給の問題を解決した一部の化合物については実際の防汚剤としての可能性を探るために野外試験も実施中である。 強い抗菌性を有するZamamistatinの全合成研究が既に着手され、また新規アミノ酸より成り種々の誘導体への展開が期待されるN-γ-Glutamyl-boletineの合成に成功しているので、これらの物質及びその誘導体について野外試験をはじめとする防汚剤としての評価の段階に入っている。最近になって防汚剤として酸化チタンの光反応による活性酸素を利用する方法が注目を集める等の新しい展開も見えているが、まだ次の時代を担う決定的な解決策は得られてはおらず、引き続きいろいろな可能性を検討することが必要であると考える。 一方、得られた抗菌活性物質の作用を詳細に検討した結果、例えばN-Benzyl-N-methyl-tribromo-acetoamideやその関連物質である4-Tribromo-3-oxobutyl-benzeneは抗癌剤等の医薬品としての利用価値が示唆された。これらの化合物については現在その基礎的な試験を実施中であり、今後の発展が期待される。 このように海洋付着性細菌(Rhodospirillum salexigens SCRC-113株)に対する阻害活性を指標とする物質探索は、防汚剤を目指す付着阻害物質のみならず医薬品等への展開を視野に入れ得る物質を発見することも期待できるが明らかになった。 本研究の戦略に問題はなく、今後も継続して環境汚染に直結しない防汚剤発見に寄与することが不可欠である。
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