研究課題/領域番号 |
11558080
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
生物有機科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
深瀬 浩一 (深瀬 洋一) 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80192722)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
14,100千円 (直接経費: 14,100千円)
2001年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2000年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
1999年度: 6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
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キーワード | 固相合成 / 自動合成 / 糖鎖合成 / 保護基 / グリコシル化 / リンカー / catch-and-release |
研究概要 |
本研究では汎用性のある糖鎖固相合成法を確立させ、その成果を基に糖鎖の自動合成法を開発することを目指した。糖鎖固相合成においては、ポリマーの不均一性のためにポリマー上でグリコシル化反応が均一には進行しないことが問題であり、二つの方法論でこの問題の解決を図った。 まず未反応の受容体を含む混合物から目的の糖鎖のみを単離する方法として、ホスフィンを担持した固相樹脂を用いてアジド基を持つ化合物のみを釣り出す方法(Chemical Fishing法)を開発した。先に見出した4-アジド-3-クロロベンジル基を用いることにより、イミノホスホランを介して固相に結合させた化合物をDDQ酸化によって切り出すことができる。オリゴ糖エリシターの固相合成にこの方法を適用した。固相上で糖鎖を伸長させた後、糖鎖を切り出してChemical Fishingを行って保護五糖とした後、接触還元を行って目的のGlcβ1-3Glcβ1-3(Glcβ1-6)Glcβ1-3Glcの合成を完成した。 第二の解決策は反応性の高い部位を選択する方法である。新規アルキニルメチルグリコシドリンカーあるいはアルキンエステル型のリンカーを考案し、薗頭反応により基質を固相に導入することで、固相上の反応性の高い場の選択が可能であることを見出した。これらのリンカーはCo_2(CO)_8を作用させてアルキン-コバルト錯体を形成させた後にTFAを作用させることで容易に切断でき、後者に関してはアルカリ加水分解によっても切断される。反応部位の選択により固相上でも定量的に反応が進行することを見出し、糖鎖固相合成を行う上での最も基本的な問題を解決した。 さらに汎用の自動合成機を用いた糖鎖の自動合成についても検討し、特別な付帯設備を用いることなく、十分に糖鎖の自動合成が可能であることがわかった。
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