研究課題/領域番号 |
11558084
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
機能生物化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
栗原 達夫 京都大学, 化学研究所, 助手 (70243087)
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研究分担者 |
高島 喜樹 住友化学(株), 生命工学研究所, 主任研究員
吉村 徹 京都大学, 化学研究所, 助教授 (70182821)
YOSHIKI Takashima Sumitomo Chemical Co., Biotechnology Laboratory, Associate Scientist
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
10,900千円 (直接経費: 10,900千円)
2000年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1999年度: 7,300千円 (直接経費: 7,300千円)
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キーワード | 有機ハロゲン化合物 / L-2-ハロ酸デハロゲナーゼ / DL-2-ハロ酸デハロゲナーゼ / フルオロ酢酸デハロゲナーゼ / Burkholderia属細菌 / 立体構造モデリング / 炭素-フッ素結合 / ハロ酸デハロゲナーゼ / Methylobacterium属細菌 / クロロプロピオン酸 |
研究概要 |
環境浄化や有用物質生産に利用しうる新規デハロゲナーゼの開発を目的として研究を実施した。(1)DL-2-クロロプロピオン酸を唯一の炭素源として含む培地を用いてスクリーニングを行い、静岡県浜松市の佐鳴湖の湖水からデハロゲナーゼ生産菌Methylobacterium sp.CPA1を取得した。本菌体抽出液から、DL-2-ハロ酸デハロゲナーゼを精製すると共に、遺伝子を単離し、一次構造を明らかにした。本酵素は2-クロロプロピオン酸のD-体、L-体のいずれにも作用し、ハライドイオンの脱離を触媒することを明らかにした。クロロ酢酸やブロモ酢酸には作用したが、フルオロ酢酸には作用しなかった。また、本酵素はハロ酸アミド(2-クロロプロピオン酸アミド)にも作用した。本酵素は、ハロ酸アミドの酵素的変換や、酵素によるハロ酸とハロ酸アミドの識別機構の解析などに有用であると考えられる。(2)フルオロ酢酸を炭素源として含む培地を用いて土壌細菌のスクリーニングを行い、フルオロ酢酸の加水分解的脱フッ素反応を触媒するフルオロ酢酸デハロゲナーゼを生産するBurkholderia sp.FA1を得た。本酵素は、クロロ酢酸やブロモ酢酸よりもフルオロ酢酸を良好な基質とした。遺伝子を単離し、一次構造を明らかにした。(3)DL-2-ハロ酸デハロゲナーゼの触媒機構を解析した結果、他の2-ハロ酸デハロゲナーゼとは異なり、溶媒の水分子が、直接、基質のα-炭素を求核攻撃し、加水分解反応が進行することが明らかとなった。(4)L-2-ハロ酸デハロゲナーゼのD10N変異型酵素による反応機構を解析し、酵素のAsn10が触媒残基として機能し、中間体としてシアノアラニン残基が生成するというユニークな機構で反応が進行することを明らかにした。
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