配分額 *注記 |
14,100千円 (直接経費: 14,100千円)
2001年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2000年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
1999年度: 7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
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研究概要 |
本申請研究は,メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)に対するb-ラクタム剤-感受性誘導薬の作用機作を明らかにし新規の耐性メカニズムを遺伝子レベルで解明するとともに,MRSA感染症に対する有効な治療薬の開発を目的としたものであり,以下の知見を得た. まず,フラボン存在下に培養した高度耐性MRSAについて,Northern Hybridization法を用いたmecAの転写物量,ならびにPBP2'断片ペプチド抗体を用いたWestern BlottingによるPBP2'発現量を測定した結果,ともに発現量の低下が認められず,b-ラクタム剤-感受性誘導活性をもたらすフラボンの作用機構がmecAの転写制禦系とは無関係であり,MRSAの高度耐性化にはmecAとは異なる耐性遺伝子の関与することを明らかにした. つぎに,MRSA臨床分離株#5-10のゲノムDNAライブラリー(約2000個)を作製し,フラボン存在・非存在下で培養した菌の全RNAから作製した32P標識cDNAを用いてDifferential Hybridizationを行い,vraRとvraSがフラボン存在下に発現量を増大させていることを発見し,b-ラクタム剤-感受性誘導において,vraRとvraSを介するtwo-component signaltrans-duction systemが主要な役割を演じていることを強く示唆した. また,生薬から抽出したTA1101は,b-ラクタム剤高度耐性MRSA感染マウス(感染後1日で100%死亡)に対しb-ラクタム剤と併用して経口投与することにより,100%生存した.さらに,この治癒効果は,MRSA感染前にあらかじめ本剤を経口投与しても著効を示したこから,本剤は,MRSA感染症に対する画期的な治療薬となるだけでなく予防薬となることが待できることを明らかにした.
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