研究課題/領域番号 |
11558087
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
生物物理学
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
太田 善浩 東京農工大学, 工学部, 助教授 (10223843)
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研究分担者 |
阿部 勝行 オリンパス光学工業, 光学技術部・主任(研究職)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
11,900千円 (直接経費: 11,900千円)
2001年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2000年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1999年度: 8,900千円 (直接経費: 8,900千円)
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キーワード | 二重鏡筒対物レンズ / 蛍光顕微鏡 / ミトコンドリア / 膜電位 / カルシウム信号 / 多重染色 / CCDカメラ / 2重染色 / 細胞 / 経時変化 / フィルタホイール / 反射ミラー / 暗視野照明 |
研究概要 |
申請書に記載した通り、2重鏡筒対物レンズ、及びその特性を生かす蛍光イメージングシステムを作成した。これにより、同一試料を多波長同時計測することが可能になり、以下の2つの実験を行った。1)副腎皮質細胞及びC6グリオーマ細胞において、細胞質のカルシウム濃度とミトコンドリアの膜電位の経時変化を同時に測定した。その結果、細胞質のCa2+濃度が局所的に急激に高くなった場合、その箇所ではミトコンドリアが脱分極してミトコンドリア内部のCa2+が細胞質に放出される。また、細胞全体でCa2+濃度がゆっくりと上昇した場合、ミトコンドリアはCa2+を取り込むことによってNADHを多く合成する。この場合、ミトコンドリアはCa2+を取り込む前より更に分極するので、多くのATPを合成するとかんがえられる。2)C6グリオーマ細胞で細胞内DNAの振る舞いとミトコンドリア膜電位を細胞分裂中に同時計測した。細胞分裂のどの時期にあるのかはDNAの挙動で判断し、細胞内のエネルギー状態はミトコンドリア膜電位で判断した。この結果、細胞分裂中にはミトコンドリアの膜電位が大きく減少し、細胞分裂が終了すると復活するのが観察された。この結果は、細胞分裂中には多くのATPが使われ細胞内のATP濃度が大きく下がり、細胞分裂が終わるとATP濃度が元に戻ってくるという考え方で説明できるものであり、細胞分裂中の細胞内エネルギー状態を捉えた初めての結果かもしれない。
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