研究課題/領域番号 |
11558091
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
神経解剖学・神経病理学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
寺島 俊雄 神戸大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20101892)
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研究分担者 |
岡戸 晴生 財団法人東京都神経科学総合研究所, 病態神経生理学研究部門, 主任研究員 (60221842)
吉川 知志 神戸大学, 大学院・医学研究科, 助手 (90244681)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
8,200千円 (直接経費: 8,200千円)
2001年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2000年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1999年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
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キーワード | リーラーマウス / ヨタリマウス / アデノウイルス / 逆行性感染 / 大脳皮質 / 脳梁交連線維 / βガラクトシダーゼ / 遺伝子導入 / カハールレチウス細胞 / リーリン / カハール・レチウス細胞 / 神経奇形マウス / 遺伝子治療 |
研究概要 |
組換えアデノウイルスによる大脳皮質、小脳皮質、神経管への感染効率を、正常マウス、リーラーマウス、ヨタリマウスを用いて研究した。ここでリーラーマウスはリーリンを欠損するミュータントマウスであり、ヨタリマウスはDab-1遺伝子を欠損するミュータントマウスである。ヨタリマウスの大脳皮質、小脳皮質、海馬の層構造は極めてリーラーマウスに類似する構造異常を呈する。正常マウス、ヨタリマウス、リーラーマウスの脊髄にlacZ組換えアデノウイルスを注入し、皮質脊髄路ニューロンを逆行性に標識した。感染したニューロンは全細胞体があたかもGolgi像を見るように染色された。さらに大脳皮質に組換えアデノウイルスを投与し、2日後に反対側に逆行性に感染する脳梁交連線維系(callosal commissure : CC)ニューロンをβガラクトシダーゼ組織化学により証明した。ヨタリのCCニューロンの分布は極めてリーラーマウスに類似するが、しかし統計的に検討すると両者の間には差があることが証明できた。以上よりリーラーとヨタリではフェノタイプが異なることが明らかとなった。本研究により、リーラーマウス、ヨタリマウス、正常マウスの大脳皮質に効率よく組換えアデノウイルスを感染させる方法論が確立し、また副次的にCCニューロンの分布がヨタリ、リーラーで大きく正常と異なり、かつリーラーとヨタリ間でも異なることが証明できた。また幼若脳への遺伝子導入の実験を行い、組換えアデノウイルスを用いて効率よく大脳皮質および小脳皮質へ外来遺伝子を導入することを試みた。具体的には胎生期の小脳皮質あるいは神経管にアデノウイルスを注入し、幼若小脳プルキンエ細胞や脳室上皮細胞へ外来遺伝子を導入することができた。
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