研究課題/領域番号 |
11558097
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
実験動物学
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
鳥居 隆三 滋賀医科大学, 動物生命科学研究センター, 教授 (50106647)
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研究分担者 |
入谷 明 近畿大学, 生物理工学部, 教授 (80026385)
細井 美彦 近畿大学, 生物理工学部, 教授 (70192739)
和 秀雄 広島国際大学, 社会環境科学部, 教授 (60072675)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
12,100千円 (直接経費: 12,100千円)
2002年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2001年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2000年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1999年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
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キーワード | ニホンザル / 体外受精 / 胚移植 / ES細胞 / 精子凍結保存法 / カニクイザル / 顕微受精 / 凍結保存 / 体外授精 / 顕微授精-胚移植 |
研究概要 |
平成11年度から平成14年度の4年間において、人工授精法、体外受精、顕微授精、体外培養法、等の発生工学的手法に加えて、胚移植法等を検討してきた。その結果、 1.eCG(PMSG)、hMG、FSHを用いた卵巣刺激法と腹腔境観察法による成熟卵子の採取方法を確立した。 2.さらに体外受精法を確立し、腹腔境観察下で2〜4細胞期胚を卵管采に移植する胚移植法を確立することが出来た。 3.その結果、体外授精-胚移植法によって世界で最初の妊娠と自然出産により産仔を得ることができた。 4.また、電気刺激法によって採取、あるいは安楽死個体の精巣上体から採取した精液を液体窒素中で凍結保存する方法も確立した。 5.凍結精液を用いて行う顕微授精-胚移植法も確立することが出来、サルにおいて世界で2例目の産仔を得ると共にカニクイザルでは世界で最初の例となった。 6.また受精胚を体外培養する方法を確立できた結果、ニホンザルとヵニクイザルから胚性幹細胞(ES細胞)の樹立に世界で初めて成功した。 7.受精胚を液体窒素中で凍結保存する方法についてもほぼ見通しがついた。 8.今までに9頭の出産と離乳を行うことが出来、また最終年度の平成14年度の3月までに28頭の妊娠を確認することが出来た。 9.出産した個体は微生物学的検査により、サルモネラ、赤痢、結核、外部、内部寄生虫、さらに、Bウイルス、単純ヘルペスウイルス(HSV-1)、サルエイズウイルス(SIV)、サルD型レトロウイルス(SRV)、サル水痘ウイルス(SVV)、フィロウイルス、サルT細胞白血球ウイルス(STLV)、麻疹ウイルスのウイルス抗体検査において、すべて陰性を確認し、当初予定していた微生物学的統御個体としてのSPF(Specific Pathogen Free)個体の作成が可能になった。 10.しかしながら、顕微授精-胚移植法においてニホンザルにおいてはいまだ成功しておらず、今後さらにこの原因を追及せねばならない。 以上のように、4年間の研究を通じて、ニホンザルにおける卵巣刺激法、腹腔境観察下での採卵法、体外受精法、顕微授精法、腹腔境観察下での卵管采移植法、また精子と受精胚の凍結保存法をいずれも確立することが出来、これらの手法を用いて室内での計画的な繁殖を行うための準備を整えることが出来たと考える。
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