研究課題/領域番号 |
11558103
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
医用生体工学・生体材料学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
柴田 政廣 東京大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (60158954)
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研究分担者 |
安藤 譲二 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20159528)
山形 幹夫 (株)ニコンエンジニアリング, 光学部, 課長(研究職)
神谷 瞭 日本大学, グローバルビジネス研究科, 教授 (50014072)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
11,700千円 (直接経費: 11,700千円)
2000年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1999年度: 6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
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キーワード | 酸素分圧 / リン光寿命 / Pdポルフィリン / 骨格筋 / 細動脈 / レーザー / 生体顕微鏡 / 組織酸素分圧 / 微小循環 |
研究概要 |
リン光プローブの特性分析:酸素感受性リン光プローブPd-ポルフィリンの生体適合性および分光特性を、動物実験により検討した。実験にはラットcremaster muscleを用い、Pd-ポルフィリン溶液(25mg/kg体重)を頚静脈より注入した。プローブ注入によるラットの全身状態および微小循環へ影響はなかった。励起光源には波長535nm、出力1.2mW、パルス幅300psのN2/dyeレーザを用い、x20対物レンズを介し、10μmの空間分解能での検出が可能であった。時間分解能は表面状態にも依るが最小0.5秒が得られた。レーザ照射による組織への障害は、連続60秒以上の照射により細動脈外壁に変色が出現したが、血流動態には影響はなかった。以上の実験結果より本システムにより最高毎秒120のデータが得られることが確認できた。 動物実験による性能評価:cremaster筋の各部位を対象として酸素分圧の局所計測を行い、本システムの有用性を検討した。安静時の細動脈酸素分圧は分岐前の1次レベルでは約70mmHgと高値を示したが、分岐後の2次レベルでは約55mmHgに、また2回分岐を重ねた後の3次レベルでは約45mmHgと分岐を重ねるに従い有意に低下した。一方、細静脈酸素分圧に関しては、分岐(集合)のレベルに係わらず約30mmHgであった。また、組織間質酸素分圧は細動脈に近接した(15〜20μm)部位では全ての分岐レベルで細動脈酸素分圧マイナス20〜25mmHgであったが、離れた(約100μm以上)では分岐のレベルに係わらず6〜8mmHgと著しい低下を示した。このような細動脈上・下流および内外での酸素分圧の低下は、細動脈内皮細胞における酸素消費が、従来考えられていたよりも大きい可能性を示唆するものである。このように本システムは従来法では得られなかった新知見も得られ、その有用性が確認できた。 画像収集の高速化:本研究の目的の一つは測定の高速化であるが、組織への障害を考慮した場合、現時点では毎秒120回の測定に留まった。本研究の目標である毎秒1000回の測定には光源の出力またはパルス幅を小さくする必要があるが、今回の結果より光検出器を変更することにより達成できる見通しがついた。 これらの成果は、J.Appl.Physiol.(2001,in press)において報告済みである。
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