研究分担者 |
福田 秀昭 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助手 (50014163)
永井 正洋 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助手 (10013971)
宮入 裕夫 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (50013892)
田中 茂男 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (30059688)
宗田 大 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (50190864)
KOSAKA Toshifumi Nippon Univ, School Vet Med, Lecturer (90215228)
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研究概要 |
生体吸収性の有機無機複合体膜を利用した組織誘導再建法により,骨組織を再建する方法について研究した. 種々の部位の骨において提案する再建方法の有効性を実証するために,イヌ下顎骨,イヌ脛骨,イヌ頭蓋骨,ラット頭蓋骨の再建を試みた.まずイヌ下顎骨については,10mmx10mmx10mmの欠損を設け,膜で覆うことによって組織誘導を行ったところ,12週でほぼ完全な骨再建が可能であることが示された.イヌ脛骨骨幹部の20mmにわたる完全離断モデルにおいては,12週の時点で離断中央付近に数mmの軟骨組織を残すのみで,欠損部内は骨で満たされていた.自家頭蓋骨由来の遊離骨膜を有機無機複合体膜とともに用いる骨膜移植を試みたところ,術後きわめて速やかな石灰化を観察できた.またイヌ頭蓋骨において径10mmの円孔状骨欠損を設け,膜で覆って再建を図ったところ,12週で欠損のおよそ半分を埋める骨組織を認めた.またラット頭蓋骨において幅5mm長さ10mm程度の骨欠損を設けて,骨欠損部を膜で覆い,さらにその上を自家骨膜で覆った場合については,4週の時点で骨の誘導を観察することができた.上記のおのおののケースにおいて,膜を利用しない対照群では骨の再生はほとんど生じなかった. このように,生体吸収性の有機無機複合体膜を利用した骨の組織誘導再建法の有効性を示すことができた.また人工の膜に加えて自家骨膜移植を併用することにより,骨の再生を加速することができることを示した.
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