研究課題/領域番号 |
11559010
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
広領域
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
井出 千束 京都大学, 医学研究科, 教授 (70010080)
|
研究分担者 |
菊池 紀洋 (株)DJKリサーチ, 所長(研究職)
田端 泰彦 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (50211371)
溝口 明 三重大学, 医学部, 教授 (90181916)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
2000年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1999年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
|
キーワード | 末梢神経再生 / 筋基底膜 / detergent処理 / 羊膜細胞外マトリックス / 人工チューブ / うさぎ坐骨神経 / 移植 / 細胞外物質 / 基底膜 / 骨格節 / 羊膜 / 人工移植材料 / ACL / detergent処理筋線維 / L-lactic acid caprolactone / 末梢神経 |
研究概要 |
まず、骨格筋から細胞成分を除去して基底膜のみにする方法を開発した。生体から取り出した新鮮な骨格筋組織を蛋白分解酵素阻害剤の存在下でdetergent(3% sodium sodecyl sulfate 溶液、2日間、37℃)処理する。この骨格筋の基底膜材料をラットの坐骨神経に移植し、1-4週後に調べた。再生軸索は2週後から多くなり、4週後ではさらに増え、同時に遠位端内に進入していた。 上の結果を踏まえて、長い移植片(5-6cm)をウサギの坐骨神経に移植し、4ヶ月後に組織学的および電気生理学的に調べた。組織学的には、再生神経は移植片内をよく伸びて、遠位端に到達し、十分に多数の神経線維が伸びていた。電気生理学的には、再生軸索は全脛骨筋の運動終板と筋紡錘を再支配していることが明らかとなった。L-lactic acid caprolactoneの重合体のチューブ内に骨格筋基底膜材料を入れたものを移植片とする移植をも試みた。この移植も良好な結果であった。 次に、ヒト羊膜の細胞外物質の移植では、0.01% ficinによって細胞成分を除去し、0.1% benzalkoniumによって滅菌し、一枚の薄いシート状(ACS、amnion collagen sheetと呼ぶ)に調整した。このACSを次の3つの基本型のチューブに加工した。(a)直径1-2mm、壁の厚さはACS7-10枚程度のもの。(b)直径0.2mmの細いチューブを数本束ねたもの。(c)直径1-2mmで、壁は3枚程度の厚さとして、その外側をさらにdexon meshで被ったもの。このようなチューブ(長さ1cm)を、ラット坐骨神経に移植した。移植後2-4週後に組織学的に観察した。結果は、(a)が良好で、他の2種類のチューブには再生神経は入らなかった。これらの結果は、ヒト羊膜のACSはチューブ状に加工することによって神経再生のための移植材料として有望であることを示している。今後の問題点として、細胞の除去の際に基底膜を残す処理、及び全行程を湿潤状態で行える方策を開発する必要があろう。
|