研究分担者 |
吉田 哲也 常葉学園大学, 教育学部, 講師 (70323235)
太田 信夫 筑波大学, 心理学系, 教授 (80032168)
青木 多寿子 岡山大学, 教育学部, 助教授 (10212367)
島内 行夫 ベネッセ教育総研, 主席研究員
後藤 憲子 ベネッセ教育研究所, 調査研究セクション, セクションチーフ
|
配分額 *注記 |
13,000千円 (直接経費: 13,000千円)
2001年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2000年度: 9,800千円 (直接経費: 9,800千円)
1999年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
|
研究概要 |
本研究は,長期的で日常的な学習事態において,膨大な学習コンテンツに対する学習者の膨大な反応データを収集・蓄積し,そこから有益な学習者情報をフィードバックすることを可能にするデータ蓄積型CAIの開発を見据え,特に,蓄積されたデータから学習効果を予測するモジュールの開発を主要な研究目的とした.そのために,ノートパソコンを高校生に貸与し,英単語学習を自宅で長期間継続してもらう長期学習実験を実施した.実験を通じて得られた膨大なデータを解析した結果,従来にない全く新しい発見が数多く見出された.例えば,学習の効果は,学習者には自覚できないレベルで,確実に積み重なっていくこと,到達度は,学習期間に対して直線的に上昇していくこと等である.さらに,個別データの解析により,予想を上回る高い精度で個人の学習段階が描き出されること,および到達度の上昇率には,非常に大きな個人差が存在することが明らかになった.個人の到達度も直線的に上昇していくことが明らかとなり,到達度データを基に単純に回帰直線を引くことにより,学習到達度の変化を予測することが可能であることが明らかになった.これにより本研究の目的は達成されたが,予想外に大きな個人差が見出されたことから,でき得る範囲でその原因を検討した.その結果,到達度の実質的な上昇率と学習に費やした時間の間に相関が見出されることが明らかになった.広く一般的に行われている英単語学習の到達度に,大きな個人差が存在することは全く新しい発見であり,その原因の解明は急務な課題といえる.本研究では,長期学習実験を実施する上で必要な,参加者にとって意味のある英単語データベースの作成もあわせて行った.研究の方法論の観点からは,本研究が基礎とする,マイクロステップ計測法という時間次元の要因を考慮できる新しい実験計画法の有効性が明確に示されたといえる.
|