研究課題/領域番号 |
11610056
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
美学(含芸術諸学)
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研究機関 | 神戸女学院大学 |
研究代表者 |
浜下 昌宏 神戸女学院大学, 文学部, 教授 (60208577)
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研究分担者 |
米山 優 名古屋大学, 大学院・人間情報学研究科, 教授 (90158543)
高橋 雅人 神戸女学院大学, 文学部, 専任講師 (90309427)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2000年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 哲学的思索 / 美学の生成 / 西周 / 西田幾多郎 / 場所の論理 / 和辻哲郎 / プラトン / 美学 / アラン / ヒューム |
研究概要 |
美学の生成を哲学的思索からの論理必然的成果として確認することを意図する本研究の総合的成果として、別冊報告書に発表するものは次の5点の論文である。[論文番号に即して第1,2…論文と略称] 1、浜下昌宏;"Nishi Amane and his Coinage of the Translated Term for 'Philosophy'"(「西周と訳語<哲学>の創出」) 2、浜下昌宏:"Taste and Novelty-From the Viewpoint of Modernity of Japan-"(「趣味と新奇-日本近代の視点から-」) 3、高橋雅人:"Aesthetics and Ethics in WATSUJI Tetsuro"(「和辻哲郎における美学と倫理学」) 4、高橋雅人:"The Role of Water in WATSUJI Tetsuro's Katsurarikyu"(「和辻哲郎『桂離宮』における水の役割」) 5、米山優:"Creative Chora and Aestheties of Place"(「創作的場所論と場所の美学」)(西田幾多郎の場所の論理の現代哲学への寄与を論ずる) 以上の論文で明らかにしたことは美学生成の多様性である。哲学分野の欧語範疇語の邦語訳に際して西周は漢学・中国哲学における類似の概念を援用し、そのうえで、名目論的に扱われる哲学的美学的概念の展開は、功利主義的実践的志向に基づいていた[第1論文]。また、近代日本を例とする美学・美意識の生成には、西洋の学問・芸術・文物・風俗の新奇さの魅力に抗しながら、伝統的・慣習的な趣味・美意識の葛藤があった[第2論文]。和辻哲郎において美学への関心は倫理学との葛藤があり両者の綜合として芸術や美は共同体を前提とするという命題が定立され「第3論文」、また、具体的な水を例としてその美学的表象を『桂離宮』において見てみると庭園の美全体の中では作用因的役割に限定されている[第4論文]。清水博の創作的場所論は西田幾多郎の場所論の影響を受けながらそれを批判して科学技術の視点で議論を展開するが、新たな情報の創造として美を規定すると、哲学・情報学と美学との接続が可能となる[第5論文]。
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