研究課題/領域番号 |
11610065
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
美術史
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研究機関 | 独立行政法人国立博物館東京国立博物館 |
研究代表者 |
金子 啓明 東京国立博物館, 企画部・事業課, 事業課長 (90110098)
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研究分担者 |
岩佐 光晴 東京国立博物館, 学芸部・美術課, 彫刻室長 (10151713)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2000年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 木彫像 / 樹種 / 用材観 / カヤ / 白檀 / 栢 / 乾漆像の心木 / 塑像の心木 / 8・9世紀の木彫像 / 乾漆像 / 塑像 / 白檀の代用材 / 神楽 / 神仏習合 / 醍醐寺 / 聖宝 / 十一面観音像 / 天神の本地仏 / 立川不動尊 / 霊木信仰 / 木心乾漆像 / 木心部 / 一木彫の成立 / 天福寺 / 観世音寺 / 薬師寺 / 聖林寺 / 一木彫 / 広葉樹 / 針葉樹 |
研究概要 |
私たちは先に「日本古代における木彫像の樹種と用材観-7・8世紀を中心に-」(『MUSEUM』555号平成10年8月)という論文で、日本古代の木彫像は、7世紀ではクスノキの使用が原則であるのに対し、8世紀にはその代表作例が定説のヒノキではなく、いずれもカヤを用いていることを科学的に立証した。そして、カヤが木彫像の材として尊重された理由を以下のように指摘した。つまり、古代インドでは白檀が仏像の材として尊重されたが、それが自生しない中国では唐時代になると、代用材として「栢」を用いることが説かれるようになった。8世紀に日本に渡来した唐僧・鑑真はこうした木彫像の用材観を日本にもたらしたと考えられるが、日本では8世紀前半には「栢」をカヤとみなしており、この時期の代表的木彫像がカヤを用いたのも白檀の代用材としての選択であったと考えられる。 今回私たちは、木彫像調査の範囲を奈良時代から平安時代初期の各地の作例にまで拡大し、また、当該期の乾漆像や塑像の心木まで広げた結果、木彫像ではカヤを用いることが中央から地方にまで及んでいることを確認した。当該期の木彫像の大半は、一木造りであるが、像の大きさと種類を問わず、カヤを用いることが広い地域で原則となっていたと考えられる。また、カヤが自生しないか、ごく少ない地域、たとえば、東北地方では他の樹種(ケヤキ)を使用していることが判明した。乾漆像や塑像の心木については、例外を除いてカヤを使用せず、ヒノキ、ケヤキ、キリなどを用いているという興味深い事実を確認した。それは木心乾漆像や塑像と、木彫像とは全く別の意識で制作されたことを意味しており、木心乾漆像の心木部が発達することで当該期の一木彫刻が発生したとする説を用材観という観点から否定するものとなった。
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