研究課題/領域番号 |
11610086
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験系心理学
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研究機関 | 京都大学 (2000) 大分県立看護科学大学 (1999) |
研究代表者 |
板倉 昭二 京都大学, 文学研究科, 助教授 (50211735)
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研究分担者 |
國吉 康夫 電子技術総合研究所, 知能システム部, 主任研究官
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2000年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1999年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 心の理論 / 他者理解 / 霊長類 / 視線知覚 / 注意のシフト / ヒューマノイド / 模倣 / 他者の心の理解 / マインドリーディング / 発達 / 乳児 / チンパンジー / 注意シフト / ロボティクス |
研究概要 |
本科研では、心を読む、すなわちマインド・リーディングに関するメカニズムにについて、ヒトおよびヒト以外の霊長類を対象とした従来の比較認知科学的研究に加えて、認知発達ロボティクスの視点を加えて検討した。ロボットは電総研で開発中のヒューマノイドロボットを使用した。まず、視線の認識システムに焦点を当て、ヒト乳児、ヒト成人およびチンパンジーを対象に、注意のシフト実験をおこなった。一般に視線の認識は、マインドリーディングの第一歩と考えられている。実験の結果、コンピューター画面に呈示された指示刺激としての顔様の刺激や顔写真が指示する方向に、成人と同様、ヒト乳児もチンパンジーも、無自覚的に注意のシフトをすることがわかった。いわゆる視覚的共同注意と呼ばれるような高次な社会的認知機能も、こうした基本的なシステムに支えられている可能性が示唆された。また、さらに基本的なメカニズムに迫るため、指示刺激の形状に着目し、非対称的な刺激、例えば、「矢印」などを指示刺激として呈示した場合も、注意のシフトが生起することがわかった。一方、ヒューマノイドロボットでは、上半身システムにより、ヒトの身体方向や頭部の向きにより、同じ方向に定位で切るシステムを完成した。また、視聴覚のマルチモダリティーを通したヒトへの定位反応や動作模倣の基礎実験もあわせておこなった。 他者理解の実験は、3歳、4歳、5歳、6歳児を対象に、他者の知識の理解という観点からおこなわれた。従来の「誤った信念課題」では、基本的には視覚的に、見るということと知るということの心理的な結合の理解であったが、本実験では、さらに他者の交渉場面、すなわち聴覚を通して知識が伝播することの理解を検討した。3歳児では、見ることと知ることの連合の理解が困難であるとされていたが、他者の交渉場面(耳打ち場面)を見ることによって知識を伝達されたほうの実験者が知識を持つということを容易に理解することがわかった。また、ロボットでは、視覚システムにより、ヒトと継続的なinteractionをすることの可能性が示唆された。
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