研究課題/領域番号 |
11610107
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育・社会系心理学
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
西村 章次 埼玉大学, 教育学部, 教授 (00008731)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2001年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
2000年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1999年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 自閉性障害 / 自閉症 / 発達診断 / 初期発達診断用具 / 中国 / 日中比較研究 / 継次処理優位 / 心の理論 / 自閉症障害 / 診断マテリアル / マテリアル / 発達症状 / 星星雨自閉症研究所 / アジア |
研究概要 |
1.全31項目よりなる発達診断導入マテリアルの名称を、日中両国で共通理解できるよう「初期発達齢断用具」と命名した。平成12年度、原案作成の、A4版14頁よりなる「『初期発達診断用具』使用説明書」(日本語版)、A4版.12頁よりなる「同説明書」(中国語版)、A3版よりなる「評価表」(目本語版および中国版)を完成させた。 2.昨年度作成した30項目に1項目が追加され、31項目によるものとなった。テスト中、項目15と項目を逆にすることにより実施がスムーズにいくことがわかったので、順番を入れ替えた(回収されたデータは追加および入れ替え以前のままとなっている)。データ回収後、「人(人形構成)」用具が作り直された。データは推定年齢が,「4歳〜4歳半」となっている。データの解釈は改定前で行っているが、最終報告書では新たな用具の説明となっており、評価も「4歳〜」となっている。 3.作成された10セットのうち、5セットが、中国語の「説明書」、「評価表」と共に、北京星星雨教育研究所、成都聖愛特殊教育センター、武候区特殊教育センター、審陽啓智幼稚園、遼寧師範大学特殊教育セシターの5施設に送られた。はじめ上記中国の各機関から、3〜5名の2名の自閉性障害児(以下、自閉症児)を対象とした診断結果を収集した。次に、遼寧師範大学特殊教育センターの心理学教授・魏華忠氏から本用具の中国版改定の可能性を探ることを目的として、2名の自閉症児を対象とした詳細なデータが送られた。さらに、就学前自閉症児の短期母子通園を行っている北京星星雨教育研究所から、スクリーニングを目的とした31名の齢断結果のデータが送られた(計、48data)。 4.日本では、健常乳幼児2名、K園で自閉症を中心に発達障害が疑われる幼児8名、本学のプレールームの発達相談に来談した自閉症(一名、ADHD[注意欠陥/多動性障害]を含む)7名の診断を、他の検査と併用して行った(計、20data)。 5.結果から、本用具を用いることにより、日中の国の差を越え、障害をもつ子ども、青年・成人が楽しみながらテストを受けることができると同時に発達年齢の推定が可能であることが実証された。発達年齢は、「*歳*ヵ月〜*歳*ヵ月」というように幅をもって推定された。中国では、継次処理と同時処理の優位さの比較が困難で、データから本研究代表者が判定を行った。転導性や「部分-全体の統合障害」等についての結果からの判定も同様であった。 6.日中両国において、継次処理優位の自閉症児が多かった。しかし、その傾向は日本において顕著であった。発達幅についても両国間に大きな差はなかったが、中国の自閉症児に幅の大きい子がおり、高いレベルができるのに低いレベルで出来ていない子が数名いた。これらは、背景となる両国の教育や文化の差によるものと思われる。また、中国において、自閉症児が得意な絵画配列ができないのに、不得意といわれる「心の理論」問題ができた自閉症児がいた。
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