研究課題/領域番号 |
11610138
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育・社会系心理学
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研究機関 | 白百合女子大学 |
研究代表者 |
永久 ひさ子 (永久 久子) 白百合女子大学, 文学部, 助手 (90297052)
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研究分担者 |
林 洋一 白百合女子大学, 文学部, 教授 (20145650)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2001年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2000年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1999年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 母親 / 家族の絆 / 資源配分 / 家族の関係性 / 個人としての生き方 / ケア資源 / 高学歴化 / 子どもへの感情 / 子育て / 家族 / 介護 / 女性 / 家族の一体感 / 家族の個別性 / 資源 / アイデンティティ / 関係性 / 個人化 |
研究概要 |
本研究では、親子間での質源移動と情緒的絆の関係を検討した。母親の時間や心的エネルギーなどの資源は、家族の関係性と個人としての自分自身とに配分されていた。個人としての自分に配分される資源は家族の関係性に配分される資源に比べ格段に少ないことが明らかにされた。個人としての自分への資源配分が多いのは、家計費高負担群の妻であったが、それでも資源配分バランスは個人としての自分と家族の関係性とが同程度であった。 資源配分と家族の関係性・自身の生き方への評価的感情との関連から、女性の高学歴化は子育ての捉え方を、「子育ては自分自身の生き方でもある」から「子育てと個人としての生き方は別である」へと変化させていることが示された。子育てや子育て関連領域以外に資源配分の対象がない場合、子育ては「私だけでやってきたもの」「私の生き方そのもの」と捉えられ、母親自身の達成や能力を発揮する対象と認識されていた。一方子育て以外に資源配分領域があった場合、「子どもはみんなに育ててもらった」と捉え、自分の生きがいや能力を発揮する対象は個人としての生き方に求め、子育ては自分の生き方と対立するもの、果たすべき責任と認識していた。また子育てにおける母親の役割は、前者の方がより大きく認識していた。前者の子どもが育つ環境は母親の管理下にあり、自分自身で育つ余地が少ないことが示唆される。母親が子育て以外の領域に資源配分ができない背景には、子育てを支援するケア資源が乏しいことが示唆された。 母親が個人としての自分に多くの資源を配分することは、夫への満足感とは独立で、親子関係への満足感とは高学歴群では独立、低学歴群では正相関関係にあった。このことから母親が個人としての生き方に多くの資源配分をすることは、家族の絆を弱めることにはならないことが示された。家族の絆と子育てや介護におけるケア資源の移動との関連を検討した結果、母親が多くのケア資源を提供することは家族の絆を弱め、夫が多くのケア資源を提供することが家族の絆を強めることが明らかになった
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