研究課題/領域番号 |
11610148
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育・社会系心理学
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研究機関 | 追手門学院大学 |
研究代表者 |
石王 敦子 追手門学院大学, 人間学部・心理学科, 助教授 (80242999)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2000年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1999年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | ストループ干渉 / バイリンガル / 言語間・言語内干渉 / 教授法 / 言語熟達度 / 意味関連効果 / 単語読み / 色命名 |
研究概要 |
本研究の目的は、ストループ課題を中心に、習得度別に第二言語を学習する際の記憶表象のモデルを構築するための基礎資料を得ること、また熟達度の指標として適切な測度開発のための基礎資料を得ることなどであった。まず初めに言語の獲得方法に着目し、上達度に及ぼす効果を検討した。次に色と色単語のストループ課題に色連想語を加えて、熟達度ごとに干渉量の変化を調べた。本研究とこれまでの実験の結果から、記憶表象のモデルについては、第二言語の熟達度によって相互依存説から独立説へと移行する可能性が充分に考えられる。しかし、それがいつ頃起こるのか、熟達度が高くなることによって認知能力の何が変わり移行することになるのか、また、いったん移行したら元のモデルに戻ることはないのか、移行中の特徴など、細かい点についてはこれからの課題である。 さらに、認知心理学とは異なるアプローチから、バイリンガルの種類や教育方法などについてもまとめ考察を加えた。バイリンガルにはその成り立ちなどからいくつかのタイプがあること、第二言語の発達には、社会的側面の影響も受けることなどが指摘された。 また、作動記憶と言語獲得との関わりにも注目し、これまでの研究をまとめ考察を加えた。現在、作動記憶にはいくつかのモデルが提唱されているが、バドリーのモデルでは、その中の音韻ループが新しい言語獲得の装置として考えられている。またジャストとカーペンターたちのモデルでは、作動記憶容量が文章理解と密接に関わっていることが指摘されている。本研究で用いてきたストループ課題は、認知の比較的初期の過程での相互作用や、言語の自動化の程度を測度とする場合に有効であった。この課題で扱うのは主に単語レベルである。言語処理には単語から文章までいくつかの段階があることを考えると、バイリンガルと作動記憶に関わる研究も、今後の発展のひとつとして大いに期待される。
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