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1920-40年代日米における映画検閲の比較社会学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 11610167
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 社会学(含社会福祉関係)
研究機関早稲田大学 (2000)
千葉大学 (1999)

研究代表者

長谷 正人  早稲田大学, 文学部, 教授 (40208476)

研究分担者 加藤 幹郎  京都大学, 大学院・人間環境学研究科, 助教授 (60185874)
研究期間 (年度) 1999 – 2000
研究課題ステータス 完了 (2000年度)
配分額 *注記
4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
2000年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1999年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
キーワード映画検閲 / 社会的言説 / 文化閲争 / 文化闘争 / 全体主義 / リーフェンシュタール / 鎧としての身体 / 津村秀夫 / 溝口健二
研究概要

本研究成果のポイントは、映画検閲を、単なる権力による表現の抑圧の問題としてではなく、より広い社会学的パースペクティヴのもとに持ち出して分析したことにある。つまり検閲をめぐる従来の常識的な議論は、映画検閲を行政機関と映画作家との間に生じる、思想や性表現をめぐる対立と抑圧の問題として考えてきただろう。このような問題がハリウッド映画産業や日本においてどのように生じたかは、既に加藤も長谷も既存の研究で明らかにしてきた。これに対してここでは新たに、検閲をより広く、社会的言説の複合的な闘争の場における政治問題として検討した。
例えば長谷は論文「フィクション映画の『社会性』とは何か」において、『国民の創生』という映画が、社会的言説によってどのように人種差別映画というレッテルを貼られ、様々な内容の批判を浴び、黒人団体による上映中止の運動を巻き起こしていったかを歴史社会学的に分析した。ここでは権力による表現の自由の抑圧という単純な図式では割り切れないものとして、映画の内容が公的上映に相応しいものかどうかが社会的な審判に付されていることが分かる。つまり行政機関が権力的に映画を検閲する以前に、社会的な言説の場において映画は一種の「検閲」を受けているのである。あるいは加藤は著書『映画とは何か』のなかにおいて、ハリウッドの主流派映画とは全く異なる黒人向け映画の、スペクタクル的な様式について分析した。ここにも黒人観客による受容の様式が一種の社会的「検閲」として、黒人映画の内容を決定していたことが確認できるだろう。つまり検閲は、社会的言説が様々に錯綜する場における熾烈な文化闘争の場のなかで、社会的に生じてくるものなのである。こうした認識を前提にしてはじめて、検閲を根源的に批判するような視点が開けてくるはずである。

報告書

(3件)
  • 2000 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 1999 実績報告書
  • 研究成果

    (19件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (19件)

  • [文献書誌] 長谷正人: "フィクション映画の「社会性」とは何か"社会学年誌. 42号. 131-146 (2001)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
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      2000 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 加藤幹郎: "ユダヤ、映画、イスラエル-アモズギタイのための覚書(1)"未来. 410. 1-10 (2000)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
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      2000 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 加藤幹郎: "ユダヤ、映画、イスラエル-アモズギタイのための覚書(2)"未来. 411. 1-8 (2000)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
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      2000 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 長谷正人: "映像という神秘と快楽"以文社. 216 (2000)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
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      2000 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 加藤幹郎: "映画とは何か"みすず書房. 280 (2001)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
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      2000 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Masato, Hase: "Social Meaning of the Fiction Film"The Annals of Sociology. No.42. 131-146 (2001)

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      「研究成果報告書概要(欧文)」より
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      2000 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Mikiro, Kato: "Jewish, Cinema, Israel (1)"Mirai. vol.410. 1-10 (2000)

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      「研究成果報告書概要(欧文)」より
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      2000 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Mikiro, Kato: "Jewish, Cinema, Israel (2)"Mirai. 411. 1-8 (2000)

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      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2000 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Masato, Hase: "The ontology of image : mystrery and pleasure"Ibun-Sya. (2000)

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      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2000 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Mikiro, Kato: "What is film?"Misuzu-Shobo. (2001)

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      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2000 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 長谷正人: "フィクション映画の「社会性」とは何か"社会学年誌. 42号. 131-146 (2001)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 加藤幹郎: "ユダヤ、映画、イスラエル-アモス・ギタイのための覚書(1)"未来. 410. 1-10 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 加藤幹郎: "ユダヤ、映画、イスラエル-アモス・ギタイのための覚書(2)"未来. 411. 1-8 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 長谷正人: "映像という神秘と快楽"以文社. 216 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 加藤幹郎: "映画とは何か"みすず書房. 280 (2001)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 長谷 正人: "テクノロジーの経験としての映画"月蛙. 1. 80-93 (1999)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] 長谷 正人: "日本映画と全体主義-津村秀夫の映画批評をめぐって"映像学. 63. 5-19 (1999)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] Hase Masato: "The Origins of Censorship"Review of Japanese Culture and Society. 10. 14-23 (1998)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] 加藤 幹郎: "映画監督 溝口健二(共著)"新曜社. (130-157) (1999)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書

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公開日: 1999-04-01   更新日: 2016-04-21  

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